ブラジル人子弟にポ語支援を=CBK=旧神戸移住センターで活動中=母国の学校と交流も=松原理事長「ぜひ立ち寄って」

ニッケイ新聞 2010年10月1日付け

 昨年6月に改修工事を終了、「神戸市立海外移住と文化の交流センター」として生まれ変わった旧神戸移住センター。同所に事務所を構えブラジル人の生活支援を行っているのが、関西ブラジル人コミュニティ(CBK、松原マリナ理事長)だ。先月ブラジルを訪れた松原理事長に現在のセンターの様子、CBKの活動などについて聞いた。

 「ツタは伸び放題、蚊がたくさん、天井は剥がれてボロボロで近所の住人にお化け屋敷と言われていました」と改装前のセンターの様子を説明する松原さん。
 改修工事は2008年5月に始まり、約1年の工期を経て見違えるように綺麗になった。センター保存の陳情にはブラジルなどからも多くの署名が寄せられ、改修に当たっては国内、ブラジルなど世界各国から募金が寄せられた。
 同センターには、事務所を構える神戸日伯協会が管理する「希望と未知への船出の広場」と名付けられた移民史料館がセンター東側1、2階に設けられ、全国から学生等が訪れているという。その他、海外移住経験者が語り部となる「移民の記憶部屋」も設置されており、再オープン後には皇太子さまもご訪問され、種々の活動をご覧になられた。
 松原さんが滞伯中の8月25日には、開館式典の様子を収めた映像が文協水曜シネマの会場で上映された。
 CBKは現在、センター内で移民祭、フェスタジュニーナなど交流を目的としたイベントや、伯外務省の支援を受けブラジルほか、南米の国々を紹介する展示を行っている。
 今回の訪伯で、松原さんは帰国したブラジル人子弟に日本で求められる支援に対して意見を聞いた。「やはり帰国後苦労するのは母国語の読み書き」と話す。
 現在同センターで開講される日ポ両語の授業には小学1年から中学2年生までが通う。ポ語授業ではブラジルの教科書を使用。幼児クラス開講の要望もあるが人員的に難しいという。
 今回松原さんは、同教室に通う子弟らの60枚の絵を持参し、アルモニア学園や、サンパウロ市周辺の市立小学校生徒らと絵の交換を行った。ブラジル学校に要望したテーマは「ブラジルの紹介」。「以前からやりたかった。同年代との絵と手紙の交換を通じて、ポルトガル語の学習の励みとし、親やテレビ以外からも祖国を知って欲しい」と熱を込める。定期的な交流手段にしていきたいと言う。
 松原さんは、「神戸にこられたら是非立ち寄ってください。ゆったりできる場所です」と呼びかけた。
 同センターは月曜休館。CBKの応対時間は火~金曜日正午から午後7時。土、日、休日は午前10時~午後5時まで。