黒澤明生誕100年=様々なイベントが開催中=自筆絵コンテ80点を展示=食、映画、ポ語本出版も

ニッケイ新聞 2010年10月23日付け

 世界の巨匠、黒澤明監督(1910~98)が生まれて今年で100年。日本では、多くの企画が行われているが、サンパウロでも記念イベントが目白押しだ。現在開催中のサンパウロ国際映画祭で『羅生門』が上映されるほか、監督自身による絵コンテの展示会、関連本のポ語出版会、巨匠が愛した「食」を提供するレストランなど、映画ファンならずとも日本が誇るアキラ・クロサワの世界に触れることのできる催しを以下に紹介する。

名作『羅生門』を上映=国際映画祭、市内3カ所で

 今月22日から開催中の「第34回サンパウロ国際映画祭」(www.mostra.org)で名作『羅生門』(三船敏郎主演、京マチ子ほか)がデジタル修復版で鑑賞できる。
 ◎23日午後6時10分(Cinemateca – Sala BNDES, Largo Senador Raul Cardoso, 207, Vila Clementino)
 ◎27日午後10時20分、31日午後4時40分、11月4日正午(Unibanco Arteplex, Shopping Frei Caneca, Rua Frei Caneca, 569, Consolacao)
 11月2日午後9時(Reserva Cultural, Av. Paulista, 900, Bela Vista)

自筆絵コンテの展示会=80点が大竹富江インスティトゥートで

 同映画祭とインスティトゥート・トミエ・オオタケ共催の絵コンテを鑑賞できる「黒澤・映画のために制作した画像」展が同インスティトゥート(www.institutotomieohtake.org.br)で22日から来月28日まで開催されている。
 画家志望だったという監督自身がイメージを練り上げるために描いたデッサン画から、数々の名作の息吹を感じることができる。

関連本のポ語版出版会=黒澤プロマネージャー 野上照代さんが来伯

 黒澤プロダクションのマネージャーで、映画スクリプター(記録担当)の野上照代さんが同映画祭の招待で現在来伯しており、著書『天気待ち 監督・黒澤明とともに』(01年文藝春秋刊)のポ語版(Editora Cosac Naify)が出版される。
 同書の出版記念会は22日夜にあった絵コンテ展オープニングで開かれた。野上さんは、21日夜にイビラプエラ公園内の施設であった同祭の開会式にも出席した。

巨匠が愛した肉料理も=レストラン「らん月」で

 肉が好物だったという黒澤明監督が特に好んだ黒毛豚を使用したメニューの数々を、レストラン「らん月オブ東京」(藤縄肇代表、Av Reboucas, 1394, Pinheiros)が食イベント『黒澤ア・ラ・カルト』で提供する。今月25日~来月27日まで。
 日伯文化事業プロ「道DO CULTURAL」(高橋ジョー主宰)が企画、イビウーナで黒毛豚を生産している「モガミファーム」と提携、「藍染」シェフ小池信氏がコーディネートする。
 「赤ひげ」「影武者」など作品の名前がつけられたトンカツやしょうが焼きのほか、「乱コース(90レアル)では、シャブシャブ(200グラム)、刺身、前菜などが楽しめる。
 ポン酢、ごまだれのほか、監督が好んだ岩塩も用意、最後はラーメンに仕立てて味わえる。
 予約した方には、日本酒メーカー「白鹿」が販売する梅酒カクテル「小さな幸せ」がウェルカムカクテルとして無料提供される。
 メニューの内容や予約はらん月(www.rangetsu.com.br)まで。