兵庫県=外国籍子弟の進路に=先輩たちがアドバイス

ニッケイ新聞 2010年10月29日付け

 【神戸新聞】兵庫県の篠山、丹波、三田各市に住む外国籍の小中学生らを対象に、受験を乗り越えた〃先輩〃が高校進学へのアドバイスを行う進路ガイダンスが24日、丹波市柏原町東奥の柏原高校で開かれた。中国やブラジルなど、4カ国から来日した子どもや保護者77人が参加し、入試制度や日本語の勉強方法について理解を深めた。
 三田市を拠点に学習支援を行う「神戸三田外国人サポートの会」が、県教育委員会などと共催した。県教委は2006年から、支援団体とともにガイダンスを開いており、丹有地区では初めて。
 同地区では近年、小中学生の時に来日し、日本語が不十分なまま、高校受験を迎える生徒が増加。篠山、丹波両市の小中学校では計18人が、市などによる日本語学習支援を受けている。
 中学2年で来日し、尼崎市の公立高校を経て兵庫県立大に入学した王●さん(22)は「中学の時は、放課後に日本語教室に通って1日5時間勉強した」と発表。9歳でフィリピンから来日した柏原高校3年澤田タイロンさん(19)は「受験は不安だったけど頑張れば実現できる。今は得意の英語を生かして大学進学を目指している」と激励した。
 また、県教委の担当者が、日本語が不自由な中学生向けに試験の漢字に読み仮名を付け、解答時間を延長する入試制度があると説明した。
 参加したブラジル出身の篠山市立西紀中3年、片桐ヘベッカさん(16)は「日本語で悩むのは自分だけではない。目標に向かって頑張りたい」と話した。(敏蔭潤子)(注)●は王へんに「探」の右側