コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2010年10月29日付け

 風呂敷の語源は室町時代にまで遡る。
 蒸し風呂の蒸気拡散のために敷いた布の呼称が転化し、入浴時に衣服を包むものになったとか。
 現在、そうした使われ方どころか見ることも少ないが、環境に優しいエコバッグ、そしてアートとしてに注目されているという。
 風呂敷専門家、山田悦 子氏が来月初旬、サンパウロ市、リオ、マリンガで展示会や講演を実施する。
 興味深いのは、ヨーロピアン・デザインスクール)(Instituto Europeo di Design)での学生を対象とする講義だ。
 伊・ミラノを拠点に欧州とサンパウロ市に支部を設け、ヨーロッパのデザインを普及することを目的にしている同校での講義は、ジャンルを越えたもの。
 ブラジルのおおらかさもだが、日本古来の知恵が普遍的な学ぶべきものとして捉えられているのは注目したい。(剛)