【特集 第40回日系ゴルフ選手権】晴天の下、231人がプレー=アマゾン、バイーアからも=優勝は宮村(男子)、中村(女子)

ニッケイ新聞 2010年11月19日付け

 ブラジル日系ゴルフ連盟(近沢宗貴理事長)とニッケイ新聞社(高木ラウル社長)が共催する『第40回ブラジル日系ゴルフ選手権大会』が6、7両日アルジャー・ゴルフクラブで開催された。サンパウロ州はじめ、パラー、アマゾナス、バイーア、ゴイアス、パラナ、南大河州からの出場者231人が熱戦を繰り広げた。シニア男女(60歳以上)、男子・女子部門にはスクラッチ形式も設けられ、緊張感あるプレーが見られた。

 全プレー終了後の表彰式には、大部一秋在聖総領事、アルジャー市アベル・ラリニ市長、野村義人・日系ゴルフ連盟名誉会長、ブラジルゴルフ連盟のラシド・アドゥラ・オーラ理事長、パウリスタゴルフ連盟のマヌエル・ガマ理事長、アルジャーゴルフクラブの水本ウィルソン理事長、ニッポンカントリークラブの佐々木ヴァルテル理事長、木多喜八郎文協会長らが出席。
 近沢会長は、あいさつでリオ五輪でのゴルフの正式種目採用の話に触れ、「ブラジル全土から参加者が集まってきてくれて嬉しい。もっと大きなものにしていきたいという夢を持っている」と述べ、協力者に支援を求めた。
 来賓あいさつ後、各部門の表彰を行った。
 スクラッチ(ハンデ無し)男子は宮村エンゾウさん(24、二世、パラナ州クリチーバ)、女子は中村るり子さん(48、二世、サンパウロ州ラゴアズール)が優勝。
 宮村さんは、同大会3度目の優勝を果たした。各団体から贈られる抱えきれないほどのトロフィーを受け取り、笑顔を見せた。
 ゴルフは10歳から、父の影響で始めた。「今回は納得の行く成績ではなかった」というが、「趣味としてこれからも続け、その楽しさを将来自分の子供にも教えたい」という。
 女子の同部門は中村さんが栄冠を勝ち取った。
 夫の影響で18年ほど前に始めたゴルフ。メキメキと上達し、いつの間にか「夫より上手くなっちゃいました」と笑う。数が少ないほど熟練者であることを表すハンディキャップは4の腕前。
 「今日は、イメージどおりのいいゴルフができきました」と喜びを語った。

今年も活躍!澤田ゴルフ一家=計5部門で表彰台に

 スコアボードに目を向けると、計12あるカテゴリーの内、3位以内に5人の澤田という名字が目に留まった。ゴルフ家族、同大会の名物だ。
 スクラッチ男子シニアで優勝したのは、澤田マリオさん(65、三世)。同女子の優勝は妻のリディアさん(63、三世)だ。ゴルフ好きの両親の下で育ったリディアさんとの結婚がきっかけで、ゴルフを始めたマリオさん。今はもう40年のベテランだ。
 その影響は叔父の昌明さん(79)にまで及び、同大会ではスーパーシニアで3位に入った。
 娘のシルビアさん(32)、は女子スクラッチで惜しくも中村さんに敗れたが、見事な健闘を見せるなど、今年も澤田一家は大きな存在感を見せた。

92歳!クリチーバ西井さん=75歳で移住、ゴルフ歴12年

 75歳でブラジルに移住した西井良雄さん(92、大阪)は、クリチーバの文協で働く傍ら、週に1~3回、ホールに出る。
 「73歳までは野球をしていました。だから、止まっている球ならどってことなく、打てると思っていたが、それが難しい。どこ飛んで良くか分かりません」と苦笑い。ゴルフは80歳から始めた。
 続け、「下手やから、ボールはあっちこっちで、みんなより、ようけ歩きます」と笑わせる。同大会でも、先日の練習から計54ホールを歩いて回った。
 「どれだけいけるかが楽しみ。せめて95歳までは」と気力をみなぎらせた。