島根県人会=慈善バザーで老人ホーム支援=心こもった手作り品持ち寄り

ニッケイ新聞 2010年11月19日付け

 ブラジル社会のために会で協力しよう―。在伯島根県人会(古田川英雄会長)は7日、同県人会館で恒例の慈善バザーを開催し、約400人が会場に足を運んだ。アクセサリー、パッチワーク、陶芸品など様々な手作り品が所狭しと並んだ。
 第6回を迎える同バザーは、福祉団体への支援を目的に始められたもの。現在は売上の15%をサントアマーロ区にある老人ホームへと寄付している。同イベントだけでなく、やきそば会やフェスティバル・ド・ジャポンの売上の一部も合わせ、品物に替えて毎年クリスマス前に届けるのだそうだ。
 「島根県人会はちょっと違う考え。会員だけで楽しむのでは意味がない」と話す古田川会長と浜野稔副会長は「会の運営費は十分だから、ほかにブラジル社会のためになることをしようと始めた」と振り返る。「慈善活動ということでより会の皆が協力するようになった」と会員の参加を評価する。
 同イベントは、特に婦人部が主体で開催。田代憲子婦人部長、平方静枝さん、浜野ヴィルマさんらは「婦人部で用意した寿司、きんぴらごぼうも昼前には完売」と、盛況ぶりを伝えた。
 会場では、老人ホームでボランティアを行うクララ・マウリシオ・デ・パウラさん、ロザーナ・ブロッシさんも駆け付け、販売を手伝っていた。「40人の入居者を預かりながらホーム独自の収入源がない。寄付が運営を大きく支えている」と話していた。
 「作っても作っても飽き足らない。もっと作りたい!」と、自慢のパッチワーク作品を持参し毎年参加するのは増田幸子さん(二世、69)。「地元では定番のイベントでブラジル人も多く足を運んでくれる。寄付になるので精が出る」と、笑顔で接客していた。
 会員らは、集まった売上から3400レアル相当の品物を購入し、今月末にホームに贈る予定。