自動車市場は今後も拡大=商議所昼食会=シオッフィ氏が講演=中山会頭の続投決まる

ニッケイ新聞 2010年12月1日付け

 ブラジル商工会議所(中山立夫会頭)は11月12日、今年最後の月例昼食会をサンパウロ市内のホテルで開いた。2011年~12年度の会頭選挙結果の報告、ゲスト講演でプライス・ウォーターハウス・クーパース社のパートナー兼ブラジル自動車部門リーダーのマルセロ・シオッフィ氏(公認会計士)がブラジル自動車市場の明るい展望について語った。
 約90人が出席。最初に会頭選挙委員会からの報告が行われ、理事会において全会一致で現職の中山会頭の続投が可決されたことを報告。
 第3四半期監査報告、2社の新入会員紹介などの後、シオッフィ氏が「自動車産業界のグローバル・トレンド」と題し講演を行った。
 シオッフィ氏はブラジルの自動車生産について、「昨年は65パーセント以下に工場稼動率が落ちたが、その後は顕著に回復し、以前の水準に戻った」と明るく切り出した。今後新興国が世界の工場として先進国を上回る生産力を持つことになるが、ブラジルは国際競争力が低く、今後の設備投資が重要との考えを示した。
 市場においても、政府の規制が進み、低公害車への関心の高まりがあるが、現状は安価な中国車等の存在感が顕著と言う。
 ブラジルは09年に初めて国内販売数が300万台を超えたが、依然として自動車所有率は7人に1台と言われる。シオッフィ氏は「まだまだ売れる。14年には年間500万台を突破できる」とブラジルの旺盛な国内消費、所得水準の上昇をふまえ、明るい観測を示した。