【特集 本門佛立宗】20年までに全州に寺院拠点を=102年目の新たな挑戦=意気込むコレイア教区長

ニッケイ新聞 2010年12月3日付け

Budismo Primordial realiza evento budista ineito no Brasil
– Passeata pela paz e ecologia
– Teatro Compaixao de Buda
– Festa da Iluminacao
– Ordenacao Sacerdotal

 「2020年までに全州の州都に寺院拠点を建設する」――。11月14、15の両日にわたり開催された『佛立フェスタ』でブラジル本門佛立宗教区長であるコレイア教伯氏はそう力を込めた。全伯への布教を目指し、広くブラジル社会に仏教文化を伝えるため、初の試みとして開催された同フェスタ。初日には、約1千人が平和を訴えるパレード、全11寺から21の教務(僧侶)が参加した寂光祭に続き、青年部が本格的な舞台を披露した。翌15日には、得度式があり、22人目の教務が誕生。布教活動にまい進する本門佛立宗の2日間を追った。

 「教務の半分以上が非日系人、10年前までは逆だった」と振り返るのは、山田カズナリ弘通(広報のこと)部長。
 同宗寺院は全伯11寺、信者は3500家族約1万人。「その数はここ10年での増加が著しい」と続ける。
 笠戸丸の乗船者である茨木友次郎(日水上人 )と共に渡った同宗は、ブラジル102年の歴史を持つ。
 今年1月、非日系人として初の教区長に選ばれたコレイア氏は「百年で11寺は少ない」と話し、冒頭の言葉に続けて「茨木上人の50回忌に当たる20年には、全州都に50人の教務を配置したい」と展望を語る。
 寂光祭のあいさつでも「今日は待ちに待った大切な日。今までは少し引っ込み気味であったが、これをもちブラジル国民にも広めたい。仏教は広めてこそ真に意味がある」と流暢な日本語で述べた。
 約1200人の信者が参加した寂光祭の法要では、釈迦が悟りを開いた明け方の情景を500個の提灯の光で再現、悟りの幸福に包まれる瞬間を演出した。
 教務らが唱える読経にあわせ信者らの「南無妙法連華経」の声が荘厳に響き渡った。