今井アリセ教室=華麗、繊細な作品いっぱい=盛況の第10回押し花絵展

ニッケイ新聞 2010年12月10日付け

 押し花教室『押し花絵』(今井アリセ代表)は11月20、21両日、リベルダーデの文協貴賓室で第10回作品展を開催した。会場には34人の生徒らによる約200点の作品を見るため、2日間で760人ほどが足を運んだ。開催前日の19日夜の開会式には大部一秋在聖総領事夫妻が駆けつけ、開催を祝った。
 展示された押し花絵の作品は多彩。一輪の花から、疾走感溢れる馬の姿、釣りをする愛らしい熊、花畑の中の一軒屋などが全て花びら、草木など自然のもので描かれている。
 大部栄子総領事夫人は、作りこまれた数々の展示品を食い入るように鑑賞し、「わ~綺麗。素晴らしい」との感嘆の声を製作者らに贈っていた。
 展示品のひとつ「アモール・アモール・アモール(愛愛愛)」と名づけられた作品は、授乳中の幸せそうな母子を収めた写真をやさしい色調の花で飾った。
 重富律子さん(2世)は、姪であるその母親へ贈るため同作品を製作。「プレゼントしたらとっても喜んでくれた」と目を細める。今回は展示のため、製作者のもとへと一時帰ってきた。
 代表者の今井さんの下で2年押し花絵を学んでいる重富さんは「今井先生は生徒達に自由に作品を作らせてくれる。とても楽しい」と、教室に通い続ける動機を話した。
 今井さんは日本滞在中に押し花に出会った。2年教室に通い、指導者になるための知識をもう2年学び、1999年に帰伯。適した教材を探し歩くなど、4年研鑽を積み、同教室を開講した。その間も展示会は開催し、今回第10回目を迎えた。
 会場では今井さんの作品も販売。横70、縦60センチほどの額の中で、2羽の白鳥が舞う作品は、最高額の1千レアルの値であったが、いち早く買い手が付いた。白鳥の羽は一本一本ミニマーガレットの花で、毛はパンパスグラスで表されるなど繊細なものだ。
 「今年は10年目ということもあり、大勢の方が来てくれた。生徒らは3月から作品作りを始め、その中から書い手が付いたものもあった。それが嬉しい」と今井さんは、展示会終了後そう喜びを表し、今後の活動にも意気込みを見せていた。