コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年12月14日付け

 このところ中国と韓国の技術水準が高い。TVは日本の「パナソニック」や「ソニー」が王者であったが、今や韓国の「SAMSUNG」と「LG」がトップである。とにかくパネルが薄く、画像も鮮明であり、とても素晴らしい。少なくとも、ブラジルの市場では優等生であり、店頭に飾ってあるのも、この韓国製の二つだし、日本のは店の隅っこに追いやられているのは何とも情けない▼自動車産業の成長も凄い。あの「現代」は年間の生産高が700万台になり、確か「ホンダ」を上回り品質的な評価も高い。ソウル五輪の頃に「現代」の工場を見たが、エンジンは三菱自動車のものを使い、まったくの中小企業だったが、それを頑張り通して販路を広げ世界第6位かの生産台数になったのには、唯々―驚くしかない。これは鉄鋼や造船も同じであり、韓国と中国に第1位を奪われるのが普通になったのは、真に残念としか申しようがない▼日本の新幹線も、中国に完敗を喫したのは、無念に尽きる。中国新幹線の「和諧号」が時速486・1キロの快速で走り世界記録を達成したのには、さすがの日本や仏も「参った」しかない。しかも、現在―時速600キロの超々列車の開発中だと聞けば、これはもうびっくりしない方がおかしい。これもあれも―技術的な裏付けがあっての成功なのである▼リオ―サンパウロ新幹線でも日本は中韓と競っているが、この技術のレベルアップを認識しないと、商談に失敗する危険性が高い。このように国々の技術格差はなくなりつつあり、日本もよほど力を入れないと明るい未来展望は描けまい。(遯)