援協臨時総会=定款改正で評議員創設=「安定運営するために」=選挙管理委員会も設置へ

ニッケイ新聞 2010年12月15日付け

 サンパウロ日伯援護協会(森口イナシオ会長)の臨時総会が11日午後、同福祉センターで開催され、定款改正案がそのままの形で多数決により承認された。当日は45人の出席と107通の委任状により、第2次召集で成立した。総会の役割を代替するような評議員会が新たに設置されることになり、より安定した運営が出来ると理事会では期待している。

 最初に森口会長は「公益団体として政府からの目が厳しくなっている。次の50年も創立当時の精神を忘れずに続けられる体制を作るため、しっかり議論をして下さい」と挨拶した。
 まず、大原毅法務委員長は、05年1月の民法改正により評議員会を作ることが法制化されたことや、連邦免税団体の認可を更新し続けるために定款改正が必要であると説明した。
 さらに従来の総会では、援協の歴史を知らない会員が大挙して出席すれば不測の事態もありえたとし、「安定運営するためにはこれまでの経緯を良く知る人に評議員になってもらう方が良い」とした。それに第1次召集では会員の3分の1の出席が求められるが、1万3千人もいる援協には事実上不可能なことだ。
 毎年開催されていた定期総会は今後、任期3年の評議員を選挙によって選ぶ役割が中心となる。
 新設される評議員会の権限としては、従来は総会が担ってきた理事および監査役の選挙、事業報告や会計報告の承認、事業計画や予算案の承認、不動産の担保や処分の許可、運営方針の決定などを行う。
 総会の前に希望者や執行部からお願いしたい人と協議し、理事会や選挙管理委員会が評議員シャッパ(正評議員50人、補欠25人)を策定する。会長と評議員会長のOBは「終身評議員」となる。
 評議員の創設に伴い、理事は従来の40人から25人に減員。総会で選ばれるのでなく、評議員会でシャッパ制により選挙される。理事の任期は従来どおり2年間だが、ブラジル会計年度に合わせて元旦から開始し、年末に終了することになった。今までは会費は総会で決められていたが、今後は理事会になった。
 今までなかった選挙管理委員会もより公正を期すために創設される。選挙の度に評議員幹部により10人が指名される。
 なお、11年3月の定期総会で最初の評議員シャッパ(75人)が選ばれ、互選で50人の正評議員や幹部が選ばれる。同4月には正評議員が理事や監査役を選び、その中から新会長が生まれる。
 新理事が選ばれたら現理事の任期は終了し、新理事任期は12年末まで。12年10月の評議員会で次の新理事と監査役を選び、新理事らは13年1月から就任する。その次の総会は14年10月となる予定。
 途中、幾度も塩田憲一理事らから質疑、代替動議が出され、賛否それぞれが挙手する形の多数決で表決された。
 最後に野村次郎副会長が「援協は急激な変化を遂げており、今では1700人を雇う大所帯になった。それに定款が付いて来ていなかった。いろいろ審議していただき有難うございます」と述べ閉幕した。