在聖総領事館=イタチーバのサンタカーザに=草の根資金で最新レントゲン装置

ニッケイ新聞 2010年12月17日付け

 日本政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力でサンパウロ州イタチーバ市のサンタカーザ病院に最新式レントゲン装置が整備され、11月7日午前10時から同病院で供与式が行なわれた。ベネジット・ネット同団体会長と大部一秋総領事、アリオバルド・ハウキ・ダ・シルバ副市長、イタチーバ市日系団体関係者など約50人が参加した。
 同団体は恵まれない人々への慈善医療を施す目的で1899年に設立され、市内で唯一の無料医療サービスを提供する総合病院。経営不振のため長年医療品等の不足、設備老朽化といった問題を抱えていたが、01年に経営体制が刷新され、医療サービス拡大に向け人材育成や機材の近代化に取り組んでいる。
 同病院で現在使用しているレントゲン装置は40年前のもので、故障が多く、交換部品も不足してメンテナンスが困難な状態となっていた。
 この度の協力は、迅速・正確な検査・診断ができるようになる上、画像のデジタル・システムへの変換も可能な新型レントゲン装置を整備したもので、約10万レアルの無償資金が供与された。
 式典で大部総領事は地域医療サービスの重要性を強調、関係者とイタチーバの日系団体の貢献に敬意を表した。ベネジット・ネット会長も「今回の協力は、我々が施設の拡大及び技術の向上に向けた様々な取り組みに合致するもの」と述べ、日本政府、地元日系団体の協力に感謝した。