文協55年=歌、踊り、食で節目祝う=創立会員らに感謝状も=約400人が駆けつけ

ニッケイ新聞 2010年12月21日付け

 ブラジル日本文化福祉協会(木多喜八郎会長)は17日夜、文協ビル体育館で『文協創立55周年式典・祝賀会』を催した。大部一秋在聖総領事、次期下院議員の太田ヨランダ、安部順二両氏をはじめ関係者ら約400人が出席、節目の年を共に祝った。

 白いシーツで飾り付けられた会場の舞台に立った文協コーラスの歌声で式典が幕開け、日本、ブラジルの曲などを歌い上げた。
 あいさつに立った木多会長は最近の文協の活動を紹介しながら、コロニアに対し、55年間の支援、協力への感謝の言葉を述べた。
 大部一秋総領事は、「文協なくしてコロニアはない」と高く文協の存在を評価し、長きにわたり支えてきた関係者の苦労をねぎらった。
 「53年間文協に関わってきた」と話す山内淳元文協会長(8代)は、日ポ両語で文協の歴史を振り返った。
 サンパウロ400年祭協力委員会を発展的に解消させる形で、サンパウロ日本文化協会(67年にブラジル日本文化協会に改称)が発足。初代会長は山本喜誉司が就任している。
 以降、宮坂國人、中沢源一郎らコロニアを代表する人物が会長職に就き、周年行事も文協が実行委員会を組織するなど、ブラジル日系社会を牽引する役割を担ってきた。
 「55」のローソクが立ったケーキの前に木多会長や来賓が並び、パラベンスが歌われ、大きな拍手が沸き起こった。
 乾杯の音頭を取った岩崎秀雄元会長(9代)は、「今後の節目も立派に祝えるよう文協を導いていって欲しい」とさらなる協力を呼びかけ、「サウーデ!」の声が響き渡った。
 三味線と三線の演奏の後、山内淳、岩崎秀雄、上原幸啓元会長、26の創立個人・法人会員、支援企業15、特別表彰として11の個人・企業に感謝状が贈呈され、会場からは拍手が送られた。
 藤間流の日本舞踊や斉藤悟琉舞道場による琉球舞踊などが次々と披露され、会場はにぎやかな雰囲気に包まれた。
 ジャンタでは、文協日本食普及委員会の小池信、金城アドリアーノ両シェフが担当した料理が振舞われ、出席者らはグラスを傾けながら、ステージと談笑を楽しんでいた。