県連=旧援協本部購入に未だ慎重論も=来年の臨時総会で討議=日本祭り会計問題も議題に

ニッケイ新聞 2010年12月22日付け

 ブラジル日本都道府県人会連合会(県連、与儀昭雄会長)は17日、今年最後の代表者会議と忘年会を栃木県人会館で開催し、県連センター購入、来年のフェスチバル・ド・ジャポン(日本祭り)に関する報告、意見交換などが行われた。また、会計未承認の続く第8回フェスチバルについて、当時会長の中沢宏一宮城県人会長が執行部へ承認を求める文書を送付していたが、中沢氏が当日欠席したため進展はなかった。

 与儀会長は冒頭、今年1年の事業計画を無事終え、フェスチバルでも良い結果が出たことを喜んだ。さらに県連センター購入について意欲を示し、「これからも、各県人会を助けないといけないという気持ちでがんばっていきたい」と述べた。
 今年のフェスチバル最終収支が約43万レアルの黒字であることが報告され、出席者の承認を受けた。
 前田ネルソン実行委員長が、来年の第14回フェスチバル会場として今年同様イミグランテス展示場と契約したことを報告。また、今年は物価上昇を受けて20%程度の経費増加が見込まれており、実行委員長、執行部から各県人会関係者に対し新規スポンサーの紹介が要請された。
 県連新事務所として文協ビルの旧援協本部購入を検討している件については、依然として出席者からの慎重論があった。
 援協側は約49万7千、県連側は約47万レアルの希望額をそれぞれ提示している。執行部は1月をめどに臨時総会を開いて討議する意向を表明したが、広島の大西博巳会長はコンドミニオの増額、文協ビルを改修した場合の費用増大の可能性に言及。さらに「収入のあるものを買わないと後で運営が大変になる」と懸念を表した。他の県人会長からは、利用方法、収支予測など会で事前に検討するための資料を求める声もあった。
 執行部では会館のない県人会に部屋を貸し出すことなども検討しているが、今月29日までに資料・計画案をまとめ、各県人会に渡すと伝えた。また、既に鍵を預かっていることから関係者に見学を促し、「皆で見てアイデアを出してほしい」と話した。
 臨時総会を開催する場合、10日前までに通知が出される。
 会議終了後、午後7時から開かれた忘年会には、各県人会、日系団体代表ほか、フェスチバルのスポンサー企業関係者など140人が出席。松尾治顧問の発声で乾杯、懇談した。席上、与儀会長から援協、救済会、こどものその、希望の家、パラナ和順会の福祉5団体に各1千レアルの年末寄付が渡された。
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 今月の代表者会議では、05年の第8回フェスチバルの会計未承認問題が議題に上がった。
 同問題に関して、当時監査だった大西広島会長が説明。同年のフェスチバルは当初黒字と発表されたが、後に関連業者から追加請求があることが発覚。うち1件からは支払いを求める訴訟が起こされており、現在も係争中で、会計未承認のまま約5年が過ぎている。
 当時県連会長だった中沢宮城会長は先月から今月にかけて、執行部に対して改めて承認を求める文書2通を送付。この日の会議にも出席する予定だったが急遽欠席したため、執行部がその文書を読み上げるだけに留まった。大西氏は承認しなかったことについて、当時の会計がガラス張りでなかったことを強調、現在係争中の裁判の結果を待って改めて対応を考える必要がある旨述べた。