奄美事業所でナタル・フェスタ=援協の新たな福祉活動広まる

ニッケイ新聞 2010年12月28日付け

 サンパウロ日伯援護協会(森口イナシオ会長)傘下の児童福祉施設・奄美事業所(税田清一経営委員長)は18日、ビラ・カロン区の奄美会館でフェスタ・デ・ナタルを開き、同施設に通う子供たちやその家族ら約100人が集まり、和やかにナタルの訪れを祝った。大部一秋、栄子在聖総領事夫妻も出席し、「初めて訪れ感激した」と顔を綻ばせた。
 奄美事業所は、高齢者福祉事業を行う他の援協傘下団体と違い、地域の児童に教育を施す援協の新たな試み。奄美協会から建物の寄付を受け、同区からの要望を受けて地域社会への貢献を目的に7年前に始められた。通うのは6~14歳の児童で、午前、午後の2クラスに計90人。月曜から金曜の平日に音楽、スポーツなどグループ活動を行っている。
 その中には日中親が働いている子供が多く、税田委員長と佐々木憲輔副委員長、援協の坂和三郎副会長は「子供たちの非行防止にもなる」と話す。2006年からサンパウロ市の援助もあるほか、毎月一度行われる誕生日会には同区の日系人協会からボーロのプレゼントが届き、子供たちの大きな楽しみになっているという。
 フェスタで、森口会長は「援協の中でも新たな活動。子供たちの成長を手助けするこの活動は、我々の誇り」とあいさつ。子供たちによるリコーダーのナタル曲の演奏や合唱、ダンスが披露され、そのかわいらしい姿が会場を沸かせた。親たちの持ち寄りで用意されたプレゼントが、子供たち一人一人に贈られた。
 同事業所で初めての日系児童のウエダ・ヴィットーリアちゃん(7)は、日本から帰国し今年8月末から通っている。「日本が好き。日本が寂しい。でも、ここでもたくさんの友達ができた」と明るい笑顔を覗かせた。