6位=旅順丸百周年

ニッケイ新聞 2010年12月28日付け

 笠戸丸に続く2回目の日本移民船として1910年6月にサントス港へ到着した「旅順丸」。笠戸丸移民の影に隠れがちだが、同船で海を渡った906人も第1回移民と同様、コーヒー耕地から農業、商工業へと苦労の末にそれぞれの人生を刻み、日系社会の礎となった。
 渡伯百周年にあたる今年は、県人移住百周年を迎えた福岡、富山、佐賀、岡山の各県人会が周年式典などとあわせ、1世紀の節目を祝った。佐賀、富山の式典には子孫が出席し、祖先の苦労を振り返り、感謝の思いを語っていた。
 このほかにも、福岡出身の旅順丸移民矢野彦次郎氏の孫、矢野春子アメリアさん(73)が中心となってサンパウロ市ラッパ区の公園の日本庭園を再整備し、旅順丸移民の氏名を刻んだプレートを設置。8月の落成式には二世から五世まで多数の子孫が訪れ、先人を顕彰した。