沖縄の心がブラジルに=宜野座村から青年研修生=伯など3カ国で交流

ニッケイ新聞 2011年2月24日付け

 沖縄県宜野座村の第5次南米3カ国派遣青年研修生として仲間唯さん(24)、豊里彩さん(21)が来伯した。2人は昨年末から約1カ月滞在し、各国の県人らと交流。帰国を前にブラジル宜野座村人会の小渡克昭会長ら関係者と本紙を訪れ、研修の感想を語った。

 宜野座村では交流事業として、今年27回目を迎える同村出身者子弟派遣を行っており、5年前に村側からの青年派遣を開始した。
 仲間さんと豊里さんは12月28日から1月26日の間に、アルゼンチン、ペルー、ブラジルで同村研修生OBや村人会、県人会会員との交流や観光を行った。
 祖父の兄弟がブラジルに移住したという豊里さんが研修に応募したきっかけは、その祖父の死だったという。
 兄弟を訪ねて10年前来伯した祖父は、ブラジルについて豊里さんに色んなことを話してくれた。「ブラジルに興味が湧き、いつか行きたいと思っていた」が、実現はしなかった。
 そんな中で昨年祖父との別れが訪れた。「もっと色んなことを聞いておけばよかった」との後悔が、興味があるなら「今、行こう」という決心に変わったという。
 遠い親戚が移住者である仲間さんは、村役場の企画課に務める関係で、昨年のブラジルの研修生で、ともに来社した久志フラビオさん(29)の世話役を引き受けた。その関わりの中で、ブラジル行きを考えた。
 今回の研修では親族宅にホームステイしたが、ブラジルに興味が湧くまでは南米に親戚がいることも知らなかったという。
 豊里さんはカンピーナスで伊波ジューリョさんら親族に出会い「親戚が一気に増えました」と笑う。2人は「親族の絆の強さを感じた」と研修を振り返った。
 小渡会長は研修生の帰国後、「各観光地での案内を研修OBの若者に任せたが、それが上手くいった。『沖縄でも見れない本当の〃ちむぐくる〃(沖縄の方言で「肝心」「真心」の意)は南米にある』と2人は話していた。喜んでくれたと思う」と笑顔を浮かべて語った。
 2人は2月末に研修成果の発表を行う予定だ。