鹿児島県人会=副会長3人が就任固辞=会長決まらず臨時総会へ=「過去にない」と相談役

ニッケイ新聞 2011年2月25日付け

 ブラジル鹿児島県人会(園田昭憲会長)は20日午前、同会館で定期総会を開いた。今年は2期4年を務めた園田会長が退任を表明。シャッパは提出せず、当日の選挙が見込まれていたが、3人の副会長が会長就任を固辞する事態となった。結局選挙は実施されず、3月に臨時総会を開きそれまでに園田会長が次期会長らを選出することとなった。総会には31人が出席した。
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 園田会長は「就任時に掲げた3つの宿題、財政再建、会館売却問題、95周年の開催を終えた」と総会で説明した。
 2010年度の事業報告、会計報告、11年度事業計画、予算はそれぞれ拍手をもって承認。昨年度会計は収入約13万8千レ、支出約8万7千レで約5万レを繰越した。
 同会では園田会長時代に収支のバランスが取れるようになり、会館は県の承諾も得ていつでも売却できる状態。今後は次期執行部に一任するとした。
 役員改選ではシャッパは提出されず、議長の天達市雄相談役が「慣例として第1副会長が会長職に適任である」と述べ、山下譲二氏の名を挙げた。
 しかし、山下第1副会長は「サラリーマンとして働き時間にも責任がもてない。できる限りの助力はさせて頂く」と就任を固辞。文協の副会長も務め、仕事時間も自由が効かない身であるとして断りを入れた。さらに、楮畑孝雄第2副会長、松村滋樹第3副会長も多忙を理由に固辞する事態に陥った。
 こうした状況の中、出席者からは会運営を立て直した園田会長に続投を願う声が上がった。あと2期、県人会創立100周年までの継続を願う声もあった。
 これに対して園田会長は、「今後の私には会長職は大きな負担になる」と退任の意向を示し、「鹿児島は『新しいリーダーが育つ場所』。私が続けると育たない。他に仕事があるのは皆一緒。会長は女性でもいいです」と広い候補者をもっての選挙実施を強調した。
 しかし、山下氏はじめ候補に挙げられた人物らは「自分は駄目」と繰返した。
 結局、園田会長から臨時総会開催の提案がされ、それまで会長を続け、新役員を選出することとした。総会後、県人会運営に40年以上関わってきた天達相談役は、副会長3人が会長就任を断ることは「過去にないこと」と話し、肩を落とした。
 臨時総会は3月13日に開催される。