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「兄弟の家が津波に」=NHKで映像流れ驚愕

ニッケイ新聞 2011年3月16日付け

 「何か岩沼市の情報は入っていませんか?」。宮城県岩沼市出身の佐藤八朗さん(69)は=インダイアツーバ市在住=15日朝、真剣な表情で編集部を訪れた。地震発生以来、何十回も電話、インターネットなどで岩沼市にいる7人の兄弟に連絡を試みているが、まったくダメだと肩を落とす。
 「NHKニュースで津波が岩沼を襲った映像が出たとき時、僕の兄弟のうちの2軒の家が波に呑まれる姿が映りました。海岸からわずか200メートルぐらいのところに建っているんです。きっとその前に逃げているはずと思っています」と天を仰ぐような身振りをする。
 「何か安否が分るんじゃないかって、朝5時から夜中までずっとNHKを見っぱなし。これじゃいかんと思って、サンパウロ市に出たら何か新しい情報があるかとおもってきました」と思いつめた表情を浮かべる。
 佐藤さんは「連絡が取れればすぐに日本の兄弟の元に駆けつけたい。そうしないと落ち着かないんだよ」とし、「駆けつけるにしても、原発事故が落ち着いてくれないと…」と悲しそうに付け加えた。

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