ノロエステ連合総会=大震災に義捐金5千レ決議=傘下30団体も協力へ=市長も哀悼と連帯表明=在聖総領事館にお見舞も

ニッケイ新聞 2011年3月22日付け

 東日本巨大地震に5千レアルの義捐金を決議—。20日午前、アラサツーバ会館で行われたノロエステ連合日伯文化協会(白石一資会長)の定期総会では、さっそく義捐金が大きな拍手で決められ、さらに傘下30団体名を併記してお見舞いの言葉をサンパウロ総領事館に持っていくことになった。アラサツーバ市長のアパレシード・セリオ氏も出席して、深い哀悼の意と秩序ある日本人被災者の振る舞いを賞賛した。

 総会の冒頭、大震災の犠牲者と1月に亡くなった五十嵐二郎連合会名誉会長のために一分間の黙祷が厳かに捧げられた。
 来賓あいさつでセリオ市長は「未曾有の災害に心からの哀悼と連帯の気持ちをお伝えしたい。日本人は世界で唯一、原爆被害を乗り越えた民族であり、今回の災害からもきっと回復してくれるものと確信する」とエールを送り、震災後すぐに市長名で同連合会にお悔やみの公文書を送ったことを明らかにした。
 白石会長が「今回の大震災での被災者、犠牲者を少しでも応援したい。ぜひ連合会の会計から5千レアルを寄付することを承認して欲しい」と提案すると、大きな拍手によって承認された。その後、出席者から「1万レアルに増やしたらどうだ」との動議もでたが、僅差で否決された。
 連合会の5千レアルに加え、傘下30団体や個人からも集め、一緒にしてブラジル日本文化福祉協会に持っていくことになった。各団体名で領収書をもらい、きちんと会計報告するという。それに加え、30団体名を併記したお見舞いの文書も在聖総領事館に届けることになった。
 またサンパウロ市から駆けつけたブラジル日本文化福祉協会の木多喜八郎会長は、地震発生以来の5団体の対応を振り返り、「さらに日伯の関係を深めたい」と締め括った。山下譲二同副会長は「震災への日本人の対処が世界への見本を示している。これほどの惨事にも関わらず秩序だった行動を忘れない日本人のあり方は、一世のみなさんが教えてきた日本人そのものである」と称え、救済会の吉岡黎明会長も震災寄付受付けを始めたことを報告し、さらに健康に加齢するための運動を広げることへの理解と協力を呼びかけた。
 2010年度の会計は支出1万6038レアル、収入は1万9906レと黒字報告された。09年度からの繰越金が3万7380レ、差し引き4万1248レが11年度に繰り越された。
 この時、「監査役」の石沢健治氏は自分ではなく、別人がサインしていることに異議を申し立て、会議は一時空転した。白石会長は昨年の選挙後に監査役を入れ替えたが、その通知を本人に伝えていなかったことをその場で謝罪。安永ルイス議長の進行により、石沢氏の署名したものを正規文書として承認した。
 その他、農事研修会は第1地区が担当、ノロエステ盆踊りは8月27日にアラサツーバで、会費は従来どおり各団体の会員一人当り1レ相当、連合会としてのお見舞は30レを目安とすること、会の仕事で遠出した場合はガソリン代としてキロ当たり40センターボ負担するなどが申し合わされ、午後1時過ぎに終了。その後は、婦人部が腕を振るった昼食に舌鼓を打ちながら、賑やかに歓談した。