がんばろう!=ニッポン〜日系社会は応援する=中沢宏一(宮城県人会会長)

ニッケイ新聞 2011年4月6日付け

日本の皆さん、がんばって!
 この度の大地震と大津波による災害で亡くなられた方々、そして、それぞれの立場で耐えしのんでおられる日本の方々に、この言葉を捧げたいと思います。
 長い冬が過ぎ、希望の春を迎えようとしている時、無情な災難が起きました。
 私は巨大地震の震源地のまん前の気仙沼市唐桑半島の先端で生れ、岩手県側の壊滅した陸前高田、大船渡、釜石などの海、そして宮城県側の気仙沼、南三陸、女川などの国立公園の美しい海と海岸線を19歳まで見て育ちました。
 この地方は漁と養殖で生計を立てておりますが、私の友人に「森は海の恋人」とし、海を豊かにするには山と木が大切なのだと水源地の山々に全国的に植林運動をしている同級生で、カキの養殖家がおります。日本人は自然の恵みに感謝し、畏敬の念を持ち、自然と共に生きてきました。自然と人との調和を大切に守ってきました。
 それなのに、あの美しい調和のとれた環境が自然のものすごい力で破壊されました。多くの尊い命が無くなり、代々築いてきた町が消滅しました。言葉では表せない悲しみと無念の気持ちで一杯でございます。
 我々は遠いブラジルに住んでおります。日系人ばかりでなく、ブラジル国民の皆様は兄弟国として、心を痛め手を差し伸べてくれております。
 亡くなった方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますと共に、各地で懸命に耐え忍んでおられる方々、そして再建のために努力奮闘されておられる方々に対して衷心より敬意を表し、ご健勝をお祈り申し上げます。
 日本の皆さん、がんばって下さい! 我々も各々の立場でブラジルから応援させてもらいます。