青森県人会=母県からマンガなど7百冊=図書室整備を活性化の一助に

ニッケイ新聞 2011年4月9日付け

 ブラジル青森県人会(玉城道子会長)にこのほど、母県からマンガ本など700冊の書籍が贈られた。会館の改修を進める同会ではこれを機に、既存の図書室を整備。3月27日に会員など20人あまりを迎えて落成式を行った。
 今回の寄贈書籍は09年の同会55周年式典で蝦名武副知事らとともに来伯した塩越隆雄・同県国際交流協会会長(東奥日報社長)たちが送ったもの。同図書室は71年に来伯した山本省一・東奥日報社長の提案によって母県から本の寄贈を受けて開設、「山本文庫」と名づけられたが、この15年ほどは新しい本も入らない状態になっていた。古本ばかりであまり使用されていない現状を知った塩越氏らが帰国後、県庁や一般に呼びかけて集めたという。
 集まった書籍は全部でダンボール箱15個分。今回はそのうち10箱が送られた。「一般の人や若い人達にも広く利用してほしい」との県人会側の要望を受け、県関係の本に加え、マンガ本を中心に選ばれている。
 午後3時半から開かれた落成式には、サンパウロ市や、来聖中のマナウスの会員、夫人が会員の下本八郎元サンパウロ州議も出席。冒頭、八戸など青森県も被害を受けた東日本大震災の犠牲者に対し1分間の黙祷を捧げた。
 続いて玉城会長が図書室再整備の経緯を説明。「おととい漸く整理が終わり、今日お披露目することができた」と話し、「マンガも多いので若い人は友達も連れて利用してほしい。写真は日本語が読めなくても楽しいものが多いので、見てもらえたら嬉しい」と呼びかけた。現在は図書室内での閲覧だけだが、番号つけなどが終われば貸し出しも行うという。
 その後は2階の図書室へ移動し、テープカット。下本さんの発声で乾杯し、軽食をとりながら親睦を深めた。
 マナウスから姉の山形テイコさん(77)と訪れた木場佐藤克子テレーザさん(70)は、5年前に知事が来伯した時以来の会館訪問。「あの頃とは全然違う。きれいになりましたね」と話していた。