パナソニック=松田社長の後任に奥村氏=「白物家電で成長加速」

ニッケイ新聞 2011年4月15日付け

 パナソニック・ド・ブラジルの松田雅信社長(51、大阪)が帰国することになり、5月1日付けで新しく奥村正人氏(54、京都府)が新社長として着任するにあたり、あいさつのために来社した。
 05年7月に着任した松田社長。ブラジル政府の地上波デジタルTV日本方式採用を受け、06年から薄型TV市場に参入するなどの激戦を超え、今年3月にミナス州南端エストレーマ市に冷蔵庫・洗濯機の工場起工式を行った。「ブラジルは世界の中で一番重要な市場の一つ」と強調する。
 来年から生産開始する新工場の構想は、85年に電子レンジとエアコンの生産を開始した時点から「次は冷蔵庫」と温められていたが、実際に具体化したのは06年に松田社長が奥村氏と話合ってから。「40年間顧客から培った信用がある。それに鉄板加工、金型設備などを温存してきたので、製造力には蓄積がある」とし、新規進出と対比する。
 奥村新社長も「ブラジル経済の歩調に合わせて我が社も成長したい。来年からの白物家電導入を受けて成長を加速させたい」との抱負をのべた。現在、世界の同社グループ内での比率は1%程度だが、現地生産開始を受けて数年内に2%達成もありえると見ている。
 「冷蔵庫の中に何を入れるかは国によって全然違う。もっと研究を進め、ブラジル内に開発部を立ち上げたい」と語った。