東日本大震災支援キャンペーン=がんばろう!〜ニッポン=サンパウロ市 水澤政人

ニッケイ新聞 2011年4月27日付け

 がんばれ日本。がんばれ東北——。東日本大震災に見舞われた日本へ、この応援メッセージを一面トップ全面を使って掲載したのはイギリスの新聞インデペンデント紙である。日本でも大きな話題になった。
 朝日新聞の3月13日付電子版によると、きっかけは気仙沼でロケ中に被災した仙台市出身のお笑い芸人の伊達みきお氏のブログだそうだ。「インデペンデント紙のデスクの一人が『僕の妻は日本人、感動的なブログを読んだ』と伊達氏のブログを紹介した。
 編集部では福島原発の派手な爆発写真を使うか、人々に勇気を与えるメッセージを発信するかで激論になったそうだが、結局『新聞の支えは読者と心を通わせること』と意を決め、日本語の応援メッセージと日の丸の図案を作り掲載した」。伊達氏は大震災直後からブログの発信を続けたが、インデペンデント紙に感動を与えたのは、気仙沼から避難してたどりついた一ノ関で、3月12日11時15分発信した、このブログだった。
《岩手県一ノ関市にいます。かなり揺れた地域です。すべてのお店は閉まっています。信号もありません。でもね、ちゃんとお互い助け合って順番を譲ってあげたりしています。だから変な事故とか争いがありません。みんなスゴイです!
 戦後、俺たちのじいちゃんやばあちゃんは日本を復活させた。世界に奇跡と言われた日本の復興。必ず復興します! 
 日本をナメるな! 
 東北をナメるな!》
 「がんばれ日本。がんばれ東北」。今この言葉は日本中に溢れ被災地を応援している。
 先日テレビで、釜石だったか、陸前高田だったか、気仙沼だったか、震災後20日経っても娘を探し続けている男が出ていた。男は「悔しい、でも、負けたくない」と言っていた。何に負けたくないのか、地震にか、津波にか、いや一番負けたくないのは、危うく挫けそうになる自分自身にではないだろうか。
 今、被災地の避難所で流行っている合言葉は「大丈夫」、だそうだ(3月16日付伊達みきおブログより)。
 「がんばれ日本、がんばれ東北、がんばれ岩手、宮城、福島」。