コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2011年7月5日付け

 各地方で催される移民の祭りでは、多くの場合で最初に式典がある。たいていは両国歌斉唱の後、舞台上にずらりと並んだ主催者や数十人の来賓が紹介され、一人ひとり挨拶して終わりだ。
 客席は大概まばらに人が座っているだけ。似たような内容の挨拶が続く中、気のせいかもしれないが多くの人が退屈そうな表情を浮かべている。非日系人が多い場合は、日語でしか挨拶しない人の言葉は当然頭に残らない。逆の場合も然り。そもそも最初から式典に行かず、食事コーナーや出店へ直行する人もいる。
 舞台上だけで完結するような式ではなく、客席も参加するようなプログラムを考えたらどうか。例えば舞台と客席の距離を縮める、目線の高さを同じにする、ありきたりかもしれないが、もっと一緒に歌を唄うなどすれば、もう少し双方に一体感が生まれるのではないかと思う。(詩)