コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2011年7月26日付け

 あんない(美味しくない)、せんどする(疲れる)、だんない(構わない)、もんる(帰る)。 これらは記者の故郷、滋賀県の方言だが、祖父母や親からしか聞かず、同世代との会話ではほぼ出てこない。
 自分では話さないものの、聞くと不思議と落ち着く自分を再発見するのだから不思議なものだ。
 先日の沖縄語調査で来伯した関係者によると、沖縄語の「標準語」のようなものが普及し、各地域の方言が消滅の危機に瀕しているという。
 取材を通して、ふるさと特有の言葉はやはり残ってほしいと感じた。方言は、郷土の文化、誇り、そして世代をも繋ぐものであるからだ。
 今回収録された音声はCD化され、書籍も作られるという。沖縄語研究の一助となり、保存と継承に繋がることを願う。今回の調査の意義は大きかったはずだ。(詩)