コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2011年7月28日付け

 サンパウロ市が行う緑化運動の一環「リベルダーデ・ベルデ」で約70本の桜植樹が実現した(27日付けで詳報)。
 市からの資金援助はなく、苗木は関係団体の会長らが畑で育てたり、購入して提供する人たちによって準備された。
 植樹場所の選定をしている時期、ラジオ日系の放送で「桜の植樹に適した場所を教えて」と呼びかけたところ、多くのリスナーたちが情報を寄せたという。
 援協の菊地義治会長は、「地域の住民も手伝い、面倒をみてくれるようになった」と喜ぶ。当初、頭を抱えた枝を折る悪戯もなくなった。
 団体の代表者らが自身の手を汚して桜を植える懸命な姿に、地域の住民の意識も変わっていったのだろうか。
 歩道に佇む桜を見ると、そこに込められた数多くの、無名の協力者たちの想いが伝わってくるようだ。(阿)