【ブラジル相撲連盟50周年祝い】日本高校選抜の歓迎会=各選手の出身県人会長ら

ニッケイ新聞 2011年8月3日付け

 国際親善大会に先立ち、ブラジル石川県人会(小堀勇ジェラルド会長)は日本高校相撲選抜派遣団の歓迎会を21日にサンパウロ市の同会館で開催した。ブラジル相撲連盟役員、選手の出身県の各県人会長や会員など50人以上が出席し、和やかに歓談が行われた。
 冒頭、小堀会長は、「遠く日本からようこそ。石川は輪島大士(わじま・ひろし)という大横綱を生んだ相撲が盛んな県。目標を持ってやってきた皆さんの健闘を祈ります」と来伯を歓迎した。
 温井団長は、「輪島も選手達と同様金沢大会を経験して強くなった」と応え、「魁聖の活躍でブラジルの相撲熱も高まっていると聞く。選手達が日本人らしい、ルールに則った相撲を見せてくれることを期待します」と挨拶した。
 大澤恵介監督による選手紹介では一人一人が抱負を語った。秋田県の平成高校3年の佐藤渉(わたる)選手は、「日本の技を見せたい」と答え、派遣団のキャプテンを務める金沢市立工業高校3年の小向健太選手は、「礼儀正しい日本の相撲を見せられるよう頑張りたい」と力強く語った。
 会場のあちこちで交流が行われていた。選手団の中では小柄な千葉県流山南高校3年の大川雅之選手に対し、原島義広千葉県人会長は、「私も剣道では小柄で悔しい思いをした。だから皆が寝ている時に一本でも多く竹刀を振った。君も練習に打ち込んでほしい」とアドバイスしていた。
 その後、金沢市内の高校に通う4人の力士は図書館に場所を移し、県人会に所蔵している北國新聞を開き、日本代表に選抜された高校相撲選手権金沢大会の特集の記事を紹介していた。
 「道がデコボコで驚いた」とブラジルの印象を話すのは金沢市立工業高校3年の八藤綜一選手。「自分は卒業後仕事に就きたいけれど、先生や監督からは大学進学を勧められて…」と10代らしい悩みを語った。
 同高2年の村田亮選手は体重150キロの大型選手、卒業後は角界入りを目指している。「白鳳が憧れの力士。力強い相撲が好き」と話したが、「ブラジルは治安が悪いと聞いていて外出は怖いです」と初の海外への感想をもらしていた。
 時差ボケが抜け切らない高校生らは、「眠いですね」と口々に言いながらも、「大会に向け、なまった身体を明日の稽古で調整しないと」と気を引き締め、午後10時頃会場を後にした。