3・11から何を学ぶか=日本人建築家らが展示会=美術大学で2日まで

ニッケイ新聞 2011年8月17日付け

 3・11を機に考え直すことは何か——。東日本大震災を教訓に建築の分野からメッセージを送ろうと、サンパウロ市ヴィラマリアーナ区のサンパウロ美術大学(Belas Artes, Rua Dr. Alvaro Alvim, 90)で日本人現代建築家の写真による作品展示会『RESET-11.03.11#New Paradigms』が開かれている。9月2日まで。
 国際デザインイベント第4回『BOOM SP DESIGN 2011』の招待イベント。環境との調和をテーマに活動する現代建築家、隈研吾、小嶋一浩+赤松佳珠子、三分一博志、乾久美子、五十嵐淳、藤本壮介、芦沢竜一、原田真宏+麻魚、河内一泰、中田千彦らが参加する。映像作品、講演(31日=ANYWHERE DOOR、芦沢竜一、9月2日=小嶋一浩+赤松佳珠子)もある。
 オープニングがあった15日には、原田氏が講演、自身の作品を紹介しながら借景など日本独特の建築技法にも触れ、学生ら約300人の関心を集めた。
 企画したのは、スペイン・バルセロナ在住の建築家、小塙芳秀さん(39、栃木)主宰のグループ『ANYWHERE DOOR』。
 「建築を通した国際交流」をテーマに、優れた日本の現代建築を世界に伝える活動を06年に開始、ポルトガルやルーマニアでイベントを行なってきた。
 「地震のないブラジルでどういう受け取られ方をするかは分からない。ただ、経済発展の先にあるものは何か。それぞれの国が抱える問題を考えるきっかけにしてもらえれば」と小塙氏。展示会のタイトルRECET(やり直し)に意味を込めた。
 災害時の避難場所を想定した学校の作品例を挙げ、「日本はこれから地に足をつけて考えていかなければ。さらに行政と建築が繋がっていくのでは」とも。
 今回の展示は、屏風型の木枠に写真をはめ込んだ作品を建築足場に設置した実にシンプルなもの。今月、ブエノス・アイレスで並行実施する同展でも、段ボール箱を組み合わせたものを作品のステージにする。
 「お金をかけないのもテーマ。使ったら元に戻せばいいだけ。立派な展示会よりも、どこでもすぐにやれるスタイルで、我々の未来に何が必要なのかを問うていきたい」と笑顔を見せた。
 同展の問い合わせは、(boomspdesign.com.br)まで。