コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2011年8月23日付け

 来伯して4ヵ月になった。来て間もない頃は、挨拶するときに握手をすることに慣れなかったが、今はすっかり慣れ、こちらから手を出すことも多くなった。
 人と会うときに初対面だと緊張する性質だが、握手すると不思議とそれが軽減され、結果として取材にも良い影響を与えているような気がする。
 日本人は冷たい、ブラジル人は温かいなどという印象をもたれているのは、一つはブラジルではスキンシップが多く、それが人との距離を縮めるからだと思う。
 一世はほとんどの割合で手を差し出すが、先日会った元駐在員で、数十年こちらに住む人は差し出さなかった。それで冷たいなどと思ったわけではないが、日本人だな、と感じた。
 日本では人間関係の希薄化、個人の孤立化を実感するが、ブラジル式の挨拶が解決の一つになるような気がする。(詩)