関西学院大学=平松教授ら一行が来伯=USPとの学術交流に向け

ニッケイ新聞 2011年8月25日付け

 日本の関西学院大学(兵庫県西宮市)が昨年6月、サンパウロ大学(USP)経済学部と学術交流協定を締結したことを受け、来年9月後半に開催予定の学術シンポジウムに向けた協議を行うことなどを目的に、関西学院大学元学長で、現在は商学部教授の平松一夫氏(64、兵庫)ら一行が13日に来伯した。
 平松教授、国際教育・協力センターの豊島美弥子さん(37、京都)、大阪産業大学(大阪府大東市)経営学部の齋藤雅子准教授(42、京都)の3人。
 喜多山重男・関西学院同窓会ブラジル支部長、山本剛介副支部長と共に18日、本紙を訪れた。
 関西学院大学では、世界各国の多くの大学と学術協定を結んでおり、ブラジルではリオ州立大学(UERJ)と提携、留学制度も始まっている。
 USP経済学部とは昨年締結を結んで以降、具体的に交流の話が進んでいなかったため、来年9月に合同シンポジウム、同時に学生の交流も実現すべく、協議が行われたという。
 学生や日本からの駐在員などを対象にするという合同シンポジウムは、「グローバル時代にどのように国際ビジネスを展開するか」という広いテーマで行われる。
 また、ブラジルでは既に導入されている「国際会計基準」の日本での導入を検討するに当たり、どういった問題が想定されるか、具体的にどのように適用するのかなどを探るため、質問やヒアリングを行うという目的もあったという。
 平松教授、齋藤准教授は、「企業や会計事務所で実際どう適用していくのか、検討が必要ですが、我々のような教育現場でも取り上げるべき問題です」と話した。
 国際会計基準はアメリカでも未導入で、日本はそれに倣う形で、組織ごとに任意で導入するかが委ねられているという。
 「住友商事など商社は積極的ですが、製造業ではなかなか難しいようです」と平松教授。
 関西学院大学は1889年、アメリカ人宣教師ウォルター・ラッセル・ランバス氏によって創設された。同氏は数年後に最高職の監督(bishop)に就任、ブラジルに6度訪れたという。
 今回の来伯ではランバス氏が訪れたという教会や、リオ、イグアスの滝などを回った一行。初来伯だった豊島さんは「人が多く活気がある」、齋藤准教授は「日本で情報が少ないので、危ないというイメージだったものの、人種差別も少なく住みやすそう」と、それぞれ笑顔で印象を語った。
 喜多山支部長は、「OB会を活性化する必要がある中、このような交流は会としても喜ばしい」と話していた。
 一行は同日夜に、日本への帰途についた。