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サンパウロ市議会=原田清氏に名誉市民章=法曹界の活躍が認められ

ニッケイ新聞 2011年9月22日付け

 弁護士として活躍する原田清さん(70、二世)へのサンパウロ名誉市民章(Cidadao Paulistano)の授章式が16日、サンパウロ市議会であった。野村アウレリオ市議の推薦によるもの。
 最高裁判所判事の上田雅三氏、サンパウロ市弁護士協会のイヴェッチ・フェヘイラ会長、サンパウロ市検事協会のカルロス・モウラン会長らをはじめ、約210人が出席した。
 41年パラナ州マリンガ市生まれ。両親は熊本県出身。67年サンパウロ総合大学(USP)法科卒。在学中にバンデイランテス産業組合の法務課に勤務した。00年パウリスタ大学(UNIP)で法学修士。
 弁護士事務所を経営しつつ、74年から20年間、市の検察庁の法律顧問などを務めた。パウリスタ法律書協会、ブラジル税法協会、パウリスタ法律協会の3団体に所属。ブラジル日本文化福祉協会評議員会会長。著書多数。
 サンパウロ大学で教鞭を執るなど教育にも尽力。市内外で講演会活動も行なっている。
 上田判事は祝辞で、「不正が多かった賠償金支払い制度を透明、簡素化する法整備の働きは賞賛に値する」と話し、『ブラジルにおける日系人』(08年発行)の発刊など日系人の功績を広く紹介したことも称えた。
 大学に通いながら2つの職を掛け持つほど苦学した原田さんは、本紙の取材に答え、「子供のころに手伝った農作業に比べたら楽なもの。勉強できることが有難かった」と振り返る。
 「戦後は日系人というだけで苛められ、昇進も難しかった」との苦労も語り、「『実るほど頭を垂れる稲穂かな』と父にたたき込まれた」と謙虚さも大事にしてきたという。モットーは〃努力なくして進歩はない〃。
 祝福する友人らの輪に囲まれ、「一生懸命やってきてよかった。これからも現役です」と笑顔を見せていた。

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