援協Dr南の=病は気から!?=第6回


日系社会ニュース

ニッケイ新聞 2011年10月1日付け

 免疫と憂鬱に深い関係があることを明らかにするために、二つのケースで説明いたします。
 長期にわたって癌の治療を受けた結果、好転し、普通の生活をしていたある人が家族内の急激に起こったトラブルのため憂鬱症になり、コントロールしていたのが急に不調となり、悪化し、数日後、死に至ったという実話は多くききます。
 また、逆に進行した癌が手術、ラジウム治療等あらゆる手段を施したが、甲斐なく、医者から絶望視され、見離され余命あと僅かと宣告されました。ところが、10年20数年と生き延び、結果的には他の原因で死に至ったというケースもよく聞きます。
 しかし、これは奇跡が起こったと決め込むことはできません。確かに免疫が何かのきっかけで増大したと考えられます。ただし、念を押しておきたいのはこのようなケースを手本にして、決して治療方法を取り替えてはいけません。
 と同様に決して精神療法によって免疫増大だけで治療する方法だと思い込んでもいけません。それはまだ免疫について、複雑な意識、無意識の問題が関わっているからです。医師以外の付き添いの人達、また、家族の方により、本人の免疫機能を発生、高め、増大しやすいように適当な環境をつくることを一番に考えることが大切であると思います。
 それでは心、想像だけで病気が起こることは可能でしょうか?
 そうです。病気は様々な原因の結合によって発症し、心はその中の一つです。その関わり方も様々であって、病気はその人の精神状態の影響を受けます。
 では、どのような因子が病気の発生に影響するのでしょうか?
 その因子は無数で複雑であり、精神状態以外、遺伝、食習慣、汚染された環境、感染菌の存在等、それに対して、私たちの身体の健康状態、たとえば、良い栄養、感情のバランス等を保つことは癌、あるいは、その他のあらゆる病症に対して、抵抗力が増大します。
 それでは、どのような病気に対して精神の感受性の影響が強いのでしょう。一般的に申しますと病気全部です。くしゃみから転落事故まで精神的な作用がいくらかあるといわれています。
 ただし、意識・無意識のレベルであろうと感情が病気の発生、進行の関わりが高いと知られているのが気管支喘息、皮膚炎、アレルギー症、胃腸炎、ルプス(落葉状天疱瘡)慢性関節リュウマチのような自己免疫症(Doenca Autoimunes)のような病気が並びます。(つづく)