伯日交流協会が中間研修=各人の半年の成果を報告

ニッケイ新聞 2011年10月6日付け

 ブラジル日本交流協会(二宮正人会長)は、4月から聖、パラー、南大河各州の日系企業、福祉団体などで研修を行っている2011年度研修生10人による中間報告会を9月10、11の両日、サンパウロ市の日本語センターで行った。
 協会生OBや研修生の受入れ先の同僚など約70人が参加、半年間の研修やブラジル生活についての報告に聴き入った。
 大学でポルトガル語を専攻した瀧川玲佳さん(24、埼玉)は、二宮法律事務所で研修。法律辞典の翻訳作業の傍ら、USPの授業を聴講、ABEUNI(大学生福祉協会)に参加しファベーラでボランティアを行うなど精力的に活動。「時間は有限。自分から行動を起こすこと、できたつながりを絶やさないことの大切さを知った」と振り返る。
 「こどものその」で研修する仲前幸枝さん(東京、29)は、日本の仕事を辞めて来伯。排泄を含めた身の回りの世話など、初めての障害者ケアに「ここにいる意味は何だろう」と焦り、何度も泣いたという。
 しかし、毎日明るく励ましてくれた同僚に救われ、「今は毎日研修が楽しみで仕方がない」と心境の変化を語る。
 村瀬慧亮さん(23、岐阜)トヨタ・マテリアル・ハンディングで研修。強盗に音楽プレーヤーを盗られた際に、同僚が寄付を募ってくれたエピソードをポ語で紹介した。運営委員からは、「研修先に溶け込む努力の賜物。感謝の心を忘れずに」との声がかけられた。
 発表後、来場者から感想が述べられた。10年度研修生のOG高山佳美さん(29、北海道)は、「色々な場所で研修している同期に興味を持つことが、広いブラジルを知る機会になる」とアドバイス。
 「こどものその」の浅野精一園長(63、二世)は、「仲前さんのいつも正面から悩みに向き合う姿に、私達にも発見があります」と笑顔で話した。
 二宮会長は、「これから半年はあっという間。失敗を恐れず、そこから多くを学んでほしい」と激励の言葉を送った。