東西南北

ニッケイ新聞 2011年10月21日付け

 今日からスタートするサンパウロ国際映画祭。開催直前に惜しくも逝去したレオン・カッコフ氏は、若かりし日にカンヌ映画祭で世界の映画界のレベルの高さを目の当たりにし、そこで受けた刺激をなんとかブラジルに持ち込まなくてはとの一心で、この国際映画祭を30余年にも渡って開催し続けていた。海外志向の薄れや産業のガラパゴス化などが叫ばれて久しい日本を思うたび、一国の文化の発展には、いつの世も、こうした国際的な広い視野を持った愛国者の存在が必要なのだなと、改めて痛感する。
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 パンアメリカン競技大会6日目の19日夜、競泳のチアゴ・ペレイラ選手が200m個人メドレーで優勝した。汎米大会10個目の金メダルを獲得したペレイラ選手は、17日に同じく10個目の金メダルを獲得した卓球のウーゴ・ホヤマ選手と並び、同大会での金メダル獲得数で国内ナンバーワンとなった。ペレイラ選手は21日の背泳200mと4×100mメドレーリレーにも出場するため、同大会11個目の金メダルを獲得するチャンスもある。200m個人メドレーでは2位以下に1メートルもの差をつけ、ダントツトップで優勝した同選手。飛び込んだ後やターン後のドルフィンキックでは全身がクネクネと動き、まるでイカのよう。その泳ぎと他者との差の大きさは、まさに〃度肝を抜く〃の一言だった。