クリチーバ沖縄県人会=創立5周年式典を開催=太鼓等で文化普及目指す

ニッケイ新聞 2011年10月25日付け

 地方でも沖縄文化を伝えていこう—。パラナ州のクリチーバ沖縄県人会(松尾きみえ会長)は今年創立5周年を迎え、9月16日、市内のクリチーバ文協会館で盛大に記念式典を開催した。サンパウロから琉球舞踊や琉球国祭り太鼓のグループもバスで訪れ、約300人が参加した。
 頼母子会は30年以上も前からあったものの、「公式な活動として沖縄文化の交流を行いたい—」と支部として発足したのは2006年。現在は約40家族の会員がいる。初代会長の上江洲安秀さんによれば、正式な県人会発足を機に会員が増え続けているという。
 記念式典では、松尾会長が「私たちの目的はウチナーンチュ(沖縄県人)の独自文化を普及していくこと。様々な世代に広めていきましょう」とあいさつ、5周年を記念したボーロカットが行われた。80歳以上の高齢者9人が表彰され、歓談を交えた昼食会が開かれた。
 文化普及に力を入れる同県人会では、サンパウロ市の沖縄県系グループとの交流を図る。毎月講師を招いて講習会を開く琉球舞踊のほか、発足から1年後に結束された琉球国祭り太鼓も、サンパウロ市から指導者を迎えて大きく成長した。同太鼓のメンバーは60人に増え、文協主催の移民祭りや春祭りなどで披露しては、若者たちの注目の的となっている。「今まで沖縄がどこにあるかも知らない人が多かった」と話す上江洲元会長は、「太鼓の人気は沖縄文化への入口になっている」と喜ぶ。
 会食後にその舞踊、太鼓の発表が行われ、会場を沸かせた。サンパウロのグループにより三線の演奏も披露された。高齢者表彰を受けた82歳の當間文子さん(とうま、二世)は、「沖縄の歌と踊りを見るのは食事よりも楽しみ」と見つめていた。
 同県人会では会員同士で研究して料理講習会も行っているほか、今年末からは講師を工面し、三線の講習会を始める予定だという。今後の更なる発展が目標として掲げられている。(長村裕佳子クリチーバ通信員)