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スザノ福博村=強盗殺人事件が発生=黒木穣さんが銃弾浴びる=家内での銃撃戦の末…=近隣で同様の事件頻発

ニッケイ新聞 2011年11月1日付け

 福博村で殺人事件——。10月29日午後9時ごろ、農業を営む黒木穣さん(60、宮崎)が、自宅に押し入った強盗3人と撃ち合いになり、顔に3発の銃弾を受けて亡くなった。フェイランテからの入金後に狙われており、この1カ月で同様の強盗事件が近所で2件起きている。同村は同月2日に入植80周年を祝ったばかり。福博村会の上野ジョルジ会長は「警察だけでなく、政治家らにも治安の改善、法律改正なども訴えていきたい」とショックを隠せない様子で話した。

 黒木さん宅は幹線道路からわずか50メートルで、塀や窓の鉄格子もなかったという。黒木家は母、妻、息子の4人で同居、事件当時は全員が就寝中だった。窓から覆面をした賊が侵入したことを居間で寝ていた黒木さんが気付き、銃で撃ち合いになった。
 逃走した窓の外に血が流れていることから、1人は被弾したと見られており、警察は犯人の行方を追っている。
 福博村では80年代から強盗事件が頻発、治安対策に頭を悩ませてきた。強盗による殺人は、02年の井上安信さん殺害事件以来、2件目。
 黒木さんは1958年宮崎県から両親の松巳、フクさんの次男として兄弟4人と共に来伯、61年から福博村に暮らしていた。父の松巳さんが78年にゲートボールをブラジルに持ち込んだことで知られる。3男、1女がいるが、同居する3男以外は日本在住。村の治安部長も務めたこともある。
 1カ月以内に黒木さん宅の近所の日系農家2軒が強盗に遭っているが、どの家も塀がなく、フェイランテから現金で支払いがあった後の犯行。
 隣接する大和植民地では9月から10月にかけ4件の強盗事件があり、22日に容疑者5人が逮捕されているが、3人は未成年のため即釈放。残り2人は、わずか1千レアルの保釈金を積んで釈放されている。
 24日には同植民地で地域治安協会(CONSEG)の対策会議を開いたばかりだった。
 同協会の副会長でもある上野ジョルジ会長は「いくら警察が捕まえても法律の抜け穴が多く、政治家を通じて法律改正の働きかけが必要」と日系政治家にも働きかける考えだ。
 大浦文雄さん(87、香川)は「治安の悪化で過疎化が進み、さらに状況が悪くなっている。結論、いかに自衛をするかに尽きる」と達観した様子で話している。

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