東西南北

ニッケイ新聞 2011年11月9日付け

 ブラジルでの若者の活字離れが著しく、学生の年間購読力が1冊を割り込んだらしい。このような「活字離れ」は、日本でも70〜80年代にテレビ文化が普及した際に言われたことで、その時代に子供時代をすごしたコラム子としては、「ネット世代も同じことを言われている」と思い、同情したい気持ちもわいてくる。たしかに、活字よりイメージで受容するメディアが強くなると、字を読んで論理的に考える習慣が奪われやすくなるという側面はあるのかもしれない。だが、どういう時代であれ、「知ろう・考えよう」という好奇心があれば、なんとか乗り切れるものだとも思うのだが。
     ◎
 2日から、サンパウロ市ルス駅とモジ・ダス・クルーゼス、パラナピアカバ、ジュンジアイの各駅を結ぶ観光列車が増発されている—。従来は月一本だったルス〜モジ便と、2週毎だったルス〜パラナピアカバ、ルス〜ジュンジアイの観光特急が毎週運行となり、1952年製造のRS—3型車両などと共に旅の楽しさを倍増させてくれる。これまでは、行きたい時に列車がないなどの不便さを味わった人も多かったはずだが、古の風情を楽しみながらの列車の旅は、ヴァーレ・ド・パライバの町々を一つにまとめて新しいメトロポリタン地域に指定するなどのサンパウロ州政府の新政策定着にも役に立つ?