高拓生80周年=(2)=3百人が盛大に記念祝賀会=高拓生、未亡人らを表彰=上塚芳郎氏「国民に広く貢献知られた」

ニッケイ新聞 2011年11月15日付け

 西部アマゾン日伯協会で10月25日夜にあった記念祝賀会では、285人の高拓生親族が集い、記念事業の成功を祝い、盛り上がりを見せた。
 アマゾナス州政府による公式謝罪の実現に尽力したトニー・メディロス州議員、長沼始・在マナウス総領事、アマゾナス日系商工会議所の牛田肇副会頭、同日伯協会の錦戸健会長、上塚司の孫芳郎氏、真理さんの2人も東京から訪れ参加した。
 日伯両国歌を斉唱、高拓物故者に黙祷が捧げられた。続いてスクリーンに上塚司氏が開拓当初に撮影した映像が映し出され、当時の様子を知る未亡人らは懐かしそうな表情を浮かべていた。
 高拓会の佐藤ヴァルジール会長は喜びを露わにし「今年は高拓会も創立から10年。トニー州議員を始めみなさんの協力で歴史の不正が正された。歴史的一日を大いに祝おう」と挨拶した。
 長沼総領事は「今回州政府が高拓生の貢献を認め謝罪をしたことで長年の苦渋が払拭された」と祝辞を述べ、芳郎氏は「高拓生らの貢献は州議会の正式謝罪を通して国民にも広く知られたはず」と喜びを分かち合った。
 トニー州議員は「高拓生に州政府謝罪への協力を依頼されて以来、主張してきた。州議会での佐藤会長、東海林さんの挨拶はとても感動的。思わず涙が溢れた」と力を込めて語った。
 最後に朝の州議会での様子が同日地方、全国網ニュースで報道され、会場で録画が流され、大きな拍手が沸き起こった。
 続いて高拓生、未亡人および協力者らに表彰が行われた。本人は欠席したが、東海林善之進さんの息子ウィルソンさん、千葉守さんの孫ワルテルさんが代理出席、伊原清子さんや戸口久子さんら高拓生の妻、トニー州議員や芳郎さんらにも表彰が行われた。長沼総領事から佐藤会長にも表彰状が手渡された。
 錦戸会長が乾杯の音頭を取り、それぞれ歓談を心行くまで楽しみながら食事をした。グループ風河火山が和太鼓やよさこいソーラン、グループ「クアルップ」がジュート栽培を表現した劇を披露し、会場を更に盛り上げた。
 世話役として奔走していた東海林ウィルソンさん(62、二世)=マナウス市=は、「思った以上に皆も頑張ってくれた。今まで誰もしようとしなかった州政府の謝罪を成功させることができた」と誇らしげに会場を見渡した。(つづく)

写真=乾杯の様子