埼玉県大宮からボール30個=市営サッカークラブに寄贈=「支援に感謝している」

ニッケイ新聞 2011年11月17日付け

 埼玉県にある大宮ロータリークラブとサッカーJリーグチームの大宮アルディージャからブラジルの子供たちへ、「エコボールプロジェクト」として使用済サッカーボール30個、練習用ゼッケンなどが贈られた。寄贈先であるフレゲジア・ド・オー市営サッカークラブで5日、受渡し式が行われた。
 きっかけはロータリーの交換派遣制度で08年に当地を訪れたチーム職員の黒田卓志さんが同クラブを視察したこと。一つのボールのみで皆が練習している様子を見て「これがサッカー王国か」と衝撃を受けた。
 以来リベルダーデロータリーの阿部義光元会長がコーディネーターを務め、リサイクルの重要性など環境教育をあわせて行う同プロジェクトとして毎年寄贈されてきた。
 式には午前の練習を終えた7〜16歳の少年達約30人とコーチ、ロータリー会員や市職員が参加。ボールの受渡しでは日本側に謝意が述べられた。続いてペットボトルを使った照明や飾りを回覧させて環境の保護に関する説明があり、子供たちによるアロエイラの植樹が行われた。
 終了後、子供達は早速ゼッケンを身に着け、ボールを蹴って感触を確かめていた。嬉しそうにリフティングを続けていたダニエル君(12)に日本の印象を尋ねると「きれいな国」と無邪気な表情で答えた。コーチを務めるアントニオ・カルロスさん(46)は「公営でお金がなくボールもなかなか買えない。毎年の支援は本当に助かっている」と感謝の言葉を口にした。
 集合写真で子供たちはボールを掲げるととびきりの笑顔でポーズ。阿部さんは「日本からの思いを届けられました」と喜び、子供たちと写真に収まった。