勝ち負け抗争描く映画完成=18日シンポ、21日上映会

ニッケイ新聞 2011年11月17日付け

 イマージェンス・ド・ジャポン社の奥原マリオ潤(37、三世)代表が11年がかりで撮影した勝ち負け抗争の真相に迫った実録映画『闇の一日』(O Crime que abalou a Colonia Japonesa no Brasil)の先行上映会が21日午後6時半から文協大講堂で行われる。
 コロニアを震撼させた脇山甚作殺害事件(46年6月2日)の真相が、日高徳一さんらを中心とした当事者の証言によって明らかになるコロニア初の話題作だ。40時間にわたる取材映像を1時間半に凝縮させた。
 「なぜ11年間もこの事件の取材に、三世である僕がこだわったのか、自分でも分からない。この作品を通して、二世や三世が日系であることに誇りを持ち、ブラジル人に日本移民の歴史を正しく知ってもらい、興味を深めてもらえるように最大限に心を砕いた。ぜひ見て欲しい」と呼びかけた。入場は無料、7割のセリフは日本語でポ語字幕が付く。
 記念プレイベントとして18日午後1時から「日本文化への新しい視点・影響範囲(Abrangencias)2011」シンポジウムがEPD(Escola Paulista de Direto, Av. Liberdade, 956)で開催される。講演者は脇山事件の実行者の一人・日高徳一さん、『百年の水流』著者の外山脩さん、日本語教育に関して下本八郎元日学連会長、日本企業進出に関して二宮正人さん、二世の一般社会での活躍等について渡部和夫さんらが戦後に焦点をあてて語る予定。ポ語への通訳あり。入場無料。詳しくはサイト(www.wix.com/abrangencias/2011)まで。