岡史朗コンサート=被災地の松林復興支援に=10回目記念し表彰も

ニッケイ新聞 2011年11月30日付け

 財団法人オイスカと宮城県が東日本大震災で壊滅した仙台市名取の松林再生運動を実施するとし、そのキャンペーンの一環として日本の歌手・岡史朗さんを招いて19日、宮城県人会でチャリティーコンサートが開かれ、約100人が訪れた。ニッケイ新聞が主催、海外友好協会および飯星ワルテル連邦下議が後援した。

 1987年から始まった岡さんによるコンサートは今年で10回目。今回は19日のサンパウロ市公演を皮切りに、サントス、グアルーリョスなど全9市でコンサートを行なっている。
 初めに全員で被災者に黙祷を捧げた後、岡さんが岩手県、宮城県それぞれの名曲「北国の春」、「青葉城恋歌」を歌って犠牲者を追悼した。
 同県人会の中沢宏一会長が、「震災の被害は甚大で1年や2年ではどうにもならないが、一緒に根気よく運動していきたい。こうした特別な年に来てもらったことに感謝する」と挨拶をした。続いて10回目を記念し、岡さんおよび同協会の奥田敏子会長に表彰状を手渡した。
 岡さんは「知ってる歌は大きな声で歌ってくださいね。長生きしますから」「皆さん今何歳?お若いね」などとユーモアを込めて観客とやり取りを交わしながら、「親メドレー」、師匠の曲を集めた「岡晴夫メドレー」、「川の流れのように」や「千の風になって」など、人気曲もふんだんに盛り込み約60曲を熱唱し観客を楽しませた。
 昨年度も見に来たという金子多恵子さん(74、二世)=サンパウロ市=は、「師匠の晴夫さんの歌を若い頃から聞いていた。今日も好きな歌がたくさんあった」と喜んでいた。
 三島せいさん(85、北海道)=サンパウロ市=は、「私たち移民のために、好意で来てくれたと思うと嬉しい。本当に心にしみて、一生に一度の思い出になった」と感激した様子で話した。
 なお、集められた保存食はサントス厚生ホームへ寄付された。