日伯経済交流に大きな一歩=3年有効の数次商用ビザ=発給に向け両国代表が署名

ニッケイ新聞 2011年11月30日付け

 商用目的の数次入国ビザ発給の円滑化に関してブラジリアで28日、三輪昭駐ブラジル大使、エドゥアルド・グラジローネ外務省在外ブラジル人コミュニティ担当副次官が覚書に署名、両国間での発給が正式決定した。これにより、今までの数次ビザの有効期限90日間が、最長3年へと変更されることになる。実施開始日は未定だが、在聖総領事館査証班の野村和久領事によれば「来年早々には実施される見込み」だという。ブラジルへの進出を検討している日本企業にとって大きな福音となりそうだ。

 従来、日本人ビジネスマンが商用目的でブラジルに入国する場合、最長でも90日間有効な数次ビザしか発給されず、同じビザでは1回の延長で最大180日間しか滞在することができなかった。
 経済界からは商用ビザの改善が従来から強く要望されており、今年4月の外相会談で本件解消に向けた協力関係が確認されたことから、両国政府間で覚書の署名に向けて調整が進められていた。
 今後は、最長で3年間有効な数次ビザが発給され、1回の滞在期間(90日間)の更なる90日間の更新を申請することも可能。この場合は最長180日間滞在できる。
 在聖総領事館の小林雅彦首席領事は「ビザの取得には苦労が多く、手続きに手間取ることでビジネスチャンスを失った企業もあったと聞いている。今回の調印で日伯の経済交流はさらに緊密になるはず」と期待を込めた。