サントス厚生ホーム=忘年会を賑やかに開催=外装の改修終え再スタート=前園ホーム長=「充実した1年だった」

ニッケイ新聞 2011年12月6日付け

 援協傘下のサントス厚生ホームは27日、恒例の忘年会フェスタを同ホームで催し、約300人が訪れ食べ放題の海の幸やアトラクションを楽しんだ。援協が用意したバスツアーにはサンパウロから62人が参加。サントス湾クルーズを楽しんだ後、バス2台でホームを訪問した。

 クリスマスの飾りで一面彩られたホーム内には開始時間の正午過ぎから多くの人が集まり、食事カウンターの前には長い列ができた。訪れた人は刺身や鰯の塩焼き、シュラスコなどの料理に舌鼓を打っていた。
 当日はサントス日本人会(土井セルジオ会長、会員約380家族)から土井会長はじめ、20人の婦人部のメンバー、二、三世でつくる金星クラブの15人のメンバーが駆けつけ、料理の準備に勤しんだ。
 シュラスケイラの前で汗を流していた、ホームの経営委員も務める金星クラブの松本パウロさん(61、三世)、照屋ジョルジさん(76、二世)は揃いのエプロン姿で、「年に3回あるホームのイベントは全部手伝ってるよ」と笑顔。
 開会式で遠藤浩経営委員長は「2011年の締めくくり。これからも希望をもって、入居者の皆さんと力を合わせ、新年を迎えたい」と挨拶した。
 援協の菊地会長は「地域が一体となってホームを支えてくれている」と日本人会メンバーや市議らに謝辞を述べ、初代ホーム長の山下忠男副会長は「毎年忘年会に来ている。皆さんが安心して暮らしているので嬉しい」とそれぞれ挨拶。その後は踊りなどの芸能が来場者を楽しませた。
 90年に新館が完成して以降20年間手が加えられていなかった同ホームは、改修費として神内良一氏からの寄付金20万7千レ、援協の予算10万レが充てられ、今年着工された。
 塀は一面白で塗られ、建物の外壁も清掃して塗り替えられたほか、メイン会場の土の地面をコンクリート化。食堂や職員寮、車両置き場なども一新され、外装の改修はほぼ終了した。
 前園マルセリーノホーム長によれば、引き続き屋上や事務所の内装、トイレ、電気の配線や消火用の配水管なども改修が必要で、「来年の予算は承認されたので、引き続き工事を進めていければ」と話す。
 また、「経営に携わって一年目で改修が実現し、感無量。とても充実した年だった」と振り返り「来年も積極的に慰問を受け入れ、入居者へのサービスの質向上のため職員教育に力を入れたい。皆さんが来たいと思え、家庭のようなホームを目指します」と抱負を語った。
 ボランティアで受付を手伝っていた日本人会の有坂隆良さん(72、長野)は「サンパウロから人が来てくれるから助かっているが、今後は地元だけで盛り上げられるようにしないとね」と話していた。
 援協のバスツアーで訪れたサンパウロ市在住の大羽敬子さん(67、北海道)、高野キミ子さん(65、熊本)は「近い将来お世話になると思うので見に来ました」と笑い「少しでも役に立ちたいという思いもあって。楽しかったし、ご飯も美味しかった」と笑顔を見せていた。