天皇陛下誕生日=健康と皇室の弥栄願い=文協、公邸で祝賀会開く

ニッケイ新聞 2011年12月8日付け

 今月23日に78歳を迎えられる天皇陛下の誕生日を祝し、ブラジル日本文化福祉協会の移民史料館で祝賀会が開催され、天皇皇后両陛下の肖像画を前に約100人が集った。
 文協およびサンパウロ日伯援護協会、ブラジル日本都道府県人会連合会、ブラジル日系老人クラブ連合会、日伯文化連盟の5団体の共催。
 祝賀会には文協の山下譲二副会長、在聖日本国総領事館の成田強領事、菊地義治・援協会長、園田昭憲・県連会長、羽藤ジョージ州議など多くの来賓らが出席した。
 文協女子コーラス部の合唱に合わせ、日伯両国歌を斉唱後、山下副会長は「ブラジルに大変心をお寄せ頂いて親善外交に大きな役割を果たされ、日系社会に賜った数々の温かい激励は、生涯忘れえぬもの。また体調不良を押して被災地を訪問され、身の引き締まる思い」と敬意を表した。
 続いて成田領事が「10年前にハンガリーにお迎えした時は、国王夫妻を見送られた後も会場に残られて、在留邦人に深くお辞儀をし一人一人を労われた優しいお姿が印象深かった」と話した。 最後に園田昭憲県連会長の掛け声で万歳三唱、乾杯を行なった。
 
 総領事公邸に450人

 正午からはモルンビー区の総領事公邸で誕生日祝賀会が開催された。日系団体・日系企業代表のほか、サンパウロ州知事代理のクラウディア・マタラーゾ儀典長、サンパウロ州軍警が訪れ、昨年より多い450人で祝った。
 大部一秋在聖総領事は「天皇皇后両陛下が震災発生直後より避難者を見舞い、実際に被災地へ何度も足を運ばれる姿に大変勇気付けられ、この難局を乗り越えようという気持ちになった。両陛下の益々の健康と皇室ご一家の弥栄を祈念したい」と挨拶した。
 「初めてお会いした時は緊張しました」と振り返るのは元サンパウロ州軍警大佐の西礼三さん(80、二世)。天皇皇后両陛下来伯時に2度護衛を務めたほか、皇居での謁見は14回という間柄で、年賀状のやり取りは今でも続いている。
 「二人の時は質問責めになるくらいブラジルがお好き。(先月に気管支炎で)入院した時は心配したが、退院できてホッとした。無理をせず、長生きして頂きたい」と思いを語った。
 遠くペレイラ・バレット市から訪れた同地文化体育協会の山本渉会長(73、二世)は「天皇制は日本文化の最たるもの。長年にわたり天長節には会員皆で集まり祝ってきました。今でも催しでは必ず日の丸を掲げ、天皇陛下を思う気持ちに一世、二世の違いはありません」と力強く話していた。