NAK主催=第17回ブラジル紅白歌合戦=紅組、3年ぶりの優勝!=「がんばれ援歌」ポ語で披露

ニッケイ新聞 2011年12月10日付け

 ブラジル日本アマチュア歌謡連盟(NAK、北川好美会長)主催『第17回ブラジル紅白歌合戦』が5日にリベルダーデ区の文協大講堂で催され、600人以上が訪れた会場は2階席まで埋める盛況ぶりを見せた。汎米日系人協会、在聖日本国総領事館の後援。
 赤組は原房子、白組は小島一夫の各氏がキャプテンを務め、出演男女30組60人が挨拶した。北川会長を委員長に、日系団体の代表約30人が審査した。
 渡部マリエちゃん(6)の「うさぎとかめ」で幕開け。堂々と可愛い歌声を響かせた。
 晴れやかな着物やタキシードに身を包み、どの出場者も気合いの入った格好で舞台に立ち、思いたっぷりに歌唱。NAKバンドの生演奏もステージに華を添えた。
 午後からは藤瀬圭子、北川朗久NAK名誉会長が司会を務め、復興応援特別プログラム『東日本大震災を思う』が催された。ステージは暗転し、震災の報道写真がスクリーンに映された。
 NAK東北連合の正木章会長から「歌が作ったつながりを力に、千年に一度の苦難を乗り越えたい」との力強い音声メッセージが寄せられ、北川会長は被災地へあてた曲「がんばれ援歌」のポ語版を熱唱、オリジナル歌詞の部分を「西日本の空から」を「Do Brasil Apio Fraternal」(同胞愛をブラジルから)と替え、感情たっぷりに歌い上げた。
 熱戦の行方はチョコでできた紅白の玉で投票。審査員は良い方の色の玉をステージ上の箱に入れ、集め終わると紅白の球を一つずつ会場へ投げながら数えた。
 白の玉が先になくなり、紅組3年ぶりに優勝が決まった。原キャプテンは感動の表情でNHKの優勝旗とトロフィーを受け取った。「皆今年こそは、と練習から気合いが入っていました。でも、本番で楽しんでできたことが一番の勝因」と嬉しさをあらわにした。
 閉会式では、会場で集められた約2千レアルが宮城県人会の中沢宏一会長に手渡された。
 「キヨシのソーラン節」で最優秀歌手賞に輝いた水谷ペードロさん(52、二世)=ピラシカーバ市在住=は「農作業用の車のなかでいつも練習しています。白組は負けたが、ちょうど10回目の出場で受賞でき嬉しい」と笑顔。
 ステージで「悲しい酒」を歌った呉屋幸子さんの歌教室に通う中丸園子さん(90、兵庫)=サンベルナルド・ド・カンポ市=は「聞いても見ても楽しめました。もちろん紅組が勝つと思っていました」と感想を語った。
 最後は蛍の光を合唱、「よいクリスマスを!よいお年を!」との声で年末の風物詩は閉幕した。