デザイナーコシノジュンコ来伯=13年、サンパウロ市で企画を予定

ニッケイ新聞 2011年12月10日付け

 日本を代表するデザイナー・コシノジュンコさんと芸術家矢柳剛さんが、合同プロジェクト『Opa!—陽気な黙示録—』を再来年5月頃にサンパウロ市で開催するにあたり、今月上旬に来伯しリオやサンパウロ市の美術館などの調査に訪れた。キッコーマンと道クルツラルが共催し、当地メディアを招いてレストラン「らん月・オブ・トーキョー」で昼食懇親会が5日に開かれ、当地の印象やプロジェクトの構想などを語った。
 「昔から来たかったけどチャンスがなくて、今回が初めて。ブラジルはアートが生活に浸透している。美術館も本当にすばらしい」と初来伯の好印象を話すコシノさん(72、大阪)は、78年からパリ・コレクションに参入し、85年は北京で世界最大のショーを成功させるなど海外諸国でも精力的に活動している。
 矢柳さん(78、北海道)はサンパウロ市やパリで絵画を学び、71年はサンパウロ国際ビエンナーレの日本代表として出場。立体、建築、環境アートやファッションなど幅広く新領域を開拓中。
 自身の作品をコシノさんがジャケットに仕立てたものを着て登場、「日本ではまだ珍しい取り組みだが、ファッションとアートという異なるジャンルのものがせめぎ合う中から、新しい空間性を構築したい」と意気込みを語った。
 所属する東京画廊+BTAPで展覧会を開いた際、コシノさんが見学に訪れお互いの仕事に興味を持ったのが共同制作の始まり。
 昨年8月、「越境」をテーマに同画廊の北京店舗で合同展覧会を開催し、成功を収めた。
 矢柳さん自身もスカーフやネクタイなど衣類をデザインした経験があり、コシノさんは「先生のデザインを楽しく切り取って、好きなように利用する私のやり方に理解を示してくれる」と話した。
 展覧会は大竹富江文化センターで開催予定。2人は「年齢を問わず見てもらえるようにしたい。どんなものが生まれるか、期待してほしい」と意気込みを語った。