大耳小耳

ニッケイ新聞 2011年12月16日付け

 2011年度秋の叙勲で旭日単光章を受章した遠藤浩さん(77、福島)は、日本人会の会員達とサントスからバスで訪れた。祝賀会が夜遅くに終わったため「どこかに泊まるんですか」と耳子が聞くと「勲章を見せたい人がいるので帰ります」と遠藤さん。その人とは、今年2月に亡くなった妻のタミ子さん。「50年以上ともに生きてきた妻に先立たれ、故郷からは原発事故のニュースばかりで心に空白があった。そんな時に今回の受章。良いことと悪いことは一緒に起こるんですね」と少し寂しげな笑顔。
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 宮尾進元人文研所長は最初の年表が生れた経緯を次のように説明した。65年に人文研が創立された時、故半田知雄さんが専任研究員となり、3年間かけて『移民の生活の歴史』を完成させた。その時の調査ノートには細かい年表がメモされており、それを書き直して完成させたのが1970に刊行された1冊目の年表だという。2冊目は95年に日伯修好百周年記念事業として編纂され、同年までの内容が追加された増補版となった。今回3冊目ということは、4冊目は移民120周年頃か。その頃でも日本語で出るだろうか?
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 安定したリンゴの生産・販売を展開するSANJOだが、近年は深刻な人手不足に悩まされている。リンゴの収穫は手作業。収穫時期が遅れると日持ちが悪くなるため、人手が足りなければ理想的な時期に収穫できないのだ。細井健志さんは「ノルデステから人を呼ぼうとも思ったがうまくいかなかった。10年後は今より大変になる」と懸念を示していた。