喜多郎の曲に詞付け歌う=日系二世フランシーさん=ネット上でアルバム発売=収益は交通遺児団体へ寄付

ニッケイ新聞 2012年1月5日付け

 2001年に米音楽界最高峰のグラミー賞を受賞した日本を代表するシンセサイザー音楽の作曲家、喜多郎さんから特別に曲の使用許可をもらって、日系ブラジル二世のフランシーさん(芸名=本名非公開、42)=米国在住=が歌詞をつけて歌ったアルバム『Symphony Of My Dreams』(私の夢の交響曲)が昨年末に発表された。

 フランシーさんの父は宮崎県、母は静岡県出身で日本語も達者なオザスコ市生まれの二世だ。90年代までヴァリグ航空のアエロモッサ(客室常務員)をしていた。
 11年1月21日付け既報の通り、数年がかりでブラジル人有名音楽家の協力で準備が進められてきた。「素晴らしい喜多郎の曲はじめ、世界の音楽家が協力してくださったアルバムが発表できて本当に嬉しいです」。フランシーさんは、住んでいるロスからそうメールを送ってきた。時に荘厳だが、ブラジル音楽風の軽妙さも併せ持つ管弦楽団(Arte Viva Symphony Orchestra)の伴奏とフランシーさんの優しく繊細な歌声が心を和ませる11曲だ。
 うち4曲(KOI, Silk Road, Estrella, Symphony of Dreams)は喜多郎の美しい旋律の楽曲にフランシーさんが作詞して自ら歌っている。
 父が交通事故で半身不随になり、パラリンピック(身体障害者五輪)の卓球選手として活躍していたこともあり、彼女は「このプロジェクトを通じてブラジルの不幸な子供達が幸せと喜びを感じてくれれば嬉しいです」とし、利益を交通事故の遺児関連の団体に寄付するという。
 このアルバムはインターネット上の音楽販売サイト(Domo Music Group)で全世界へ向けて発売されている。