第5回ニセーターツアー=南米の沖縄県系子孫が集合=開会式で和やかに夕食囲む

ニッケイ新聞 2012年1月25日付け

 南米に住む沖縄県系人の若者の交流、沖縄文化の継承など目的に07年に始まり、今年で5回目を迎える『ニセーターツアー』が今月19〜29日までサンパウロで実施されており、開会式が20日夜、リベルダーデ区の沖縄県人会館ホールで開かれた。
 各国の県人会が毎年持ち回りで行っており、今回はブラジル沖縄県人会が後援。研修や留学等を経験した若者が主体で、11人のブラジル人、1人のアルゼンチン人の若者が実行委員を務める。
 今回は亜国から5人、ボリビアから7人、ペルーから2人、地元ブラジルからはサンパウロ州各地、カンポグランデなどから43人が参加しているほか、日本から「世界若者ウチナーンチュ連合会沖縄本部」事務局長の玉元三奈美さん(24、うるま市)ら5人が来伯した。
 一行は23日までサンパウロの沖縄県人宅にホームステイし、24日からジアデーマの沖縄文化センターに移動、寝食をともにし、様々なプログラムを行う。
 20日朝から県人会本部に集合し、午後から、会議室で各国代表者がそれぞれの国をパワーポイントで紹介した。玉元さんは「小さな島だが素晴らしいところ」と話し、沖縄の歴史や自然、世界遺産、伝統芸能などを紹介した。
 「エイサーをやっている人は?」との質問には複数の手が挙がり、「カチャーシーはかき混ぜるという意味です」と説明され、参加者は立ち上がって実際やってみるなど、和やかな雰囲気に包まれた。
 その後、参加者はホールに下り記念撮影を行い、一人ひとり自己紹介した後、夕食を楽しんだ。
 初来伯したという沖縄県文化観光スポーツ部交流推進課の横山貴彦主任(36、山口)は、ツアーに同行する一方で、7月に実施予定の海外県系人子弟を沖縄に招待するジュニアスタディーツアーのための視察や、交流事業全般について県人会幹部と協議する。
 「南米の人はバイタリティがあって刺激になる」と感想をのべ、「日系社会とのネットワークを作ることが県の政策課題」と意欲を見せた。
 「友達をたくさん作りたい」と期待を膨らませるカンピーナス在住のクシ・ミユキさん(18、三世)は、「ウチナーンチュの文化を知りたい」と友人6人で参加。太鼓のグループに12年所属しており「夢は沖縄に行くこと」と満面の笑顔を見せた。
 玉元さんらの来伯は、今年7月に予定されている「ブラジル・若者ウチナーンチュ大会」の事前視察も兼ねており、「南米の方が沖縄らしいとよく言われているが、それを肌で感じたかった」と思いを語り、大会へ繋げる考えだ。